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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

極上の仕事。

2008-11-18 21:56:34 | 社会福祉士

最近は、ほぼ毎日、初回の家庭訪問をしている。
みなさん、いろいろな生活を送られている。
本当に生活や家庭は個性的だと思います。
生活の楽しさや厳しさもひとり一人違われる。
当然なことのように思えるけれど、毎日、初訪問して、
思いを新たにする。
それだけに、私自身、素直な「空っぽの皿」にならなくては
ならないと思う。

当然、99%の方はわたしより年上だ。
1%の人とて40歳以上だから、人生の積み重ねはとても重い。
人生の積み重ねはその方を幸福にさせていることもあれば、厳しい生活を余儀なく
されていることもある。
一度の事業の失敗が、以後の厳しい生活につながっている人もおられる。
しかしそのような方からの方が学ぶことは多い。
苦労された方から学ぶことは貴重だ。

一方、裕福な方から学ぶことは少ないといわざるをえない。
広大な邸宅や豪華な室内に居ながら、はやくこの家を後にしたいと思うことが多かった。

最近、10年前に出版された『アメリカの経済支配者たち』広瀬隆著を読み返している。
19世紀のアメリカで巨万の富を作り、その子孫が投資や投機で、
財を膨らませ続けていることを書いている。
このような富豪集団が、世界の金融経済を動かしていることはよく知られているが、
わたしなぞ、最も近寄りたくない人々である。
世界の大富豪に比べると、スケールが小さすぎて話にならない日本の小富豪でも、
心だけは似ているようだ。
とても近寄りがたい。

今日は、訪問先でヘルパーさんと同席した。
その方は、こうして家庭を訪問して一緒に働くことが一番好きだという。
前はヘルパー事業所の責任者をしていたが、人間関係で疲れてしまった。
そこで原点に戻って、ヘルパーを始めたという。
そしてとても満足されている。

私もこの方の気持ちが非常によくわかる。
今、介護など社会福祉に携わっている人で、どれだけの人が純粋に「福祉」の仕事が
できているだろうか。
書類や連絡調整に追われて、本来の仕事(援助)ができていないのではないか。
現場職員から教員になられた方の中にも、そのような思いの方は多い。

私もヘルパーの経験があるのですが、その体験が「私の福祉の原点」だと思っている。
訪問介護は、一対一の厳しい世界ともいえるし、ゆえにか最も感動を得られる仕事だともいえる。
その仕事が福祉の仕事の中では、低く見られている。
それは介護報酬をみれば明かだ。
しかし、極上の仕事とはそのような扱いをされた職種の中にあるのかもしれない。

見逃しなさるな。

※家庭訪問した家の近くにあった古い民家。かなり遠くへ来ました。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はれのくに岡山 (Maa-chan)
2008-11-19 00:05:14
 写真の青空,岡山らしいなぁと眺めていました。女房のところに通っていた時に,備中国分寺の近くを通っていましたが,国分寺の三重の搭と青空のマッチングがとてもきれいで,いつ見てもいいなぁと思っていました。

 今日(もう昨日ですね),NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場された,認知症GH所長の大谷るみ子さんは,「心をかける」ことが介護の基本であると話されています。ご指摘のとおり,「心をかける」仕事を私たちは本当にできているのか,もう一度振り返ってみなければと思います。
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今日は北の国でした。 (岩清水)
2008-11-19 21:12:47
吉備路はいいですね。
国分寺の塔は本当に絵になります。
そうですね。
一度撮影してアップします。
自宅からサイクリングにぴったりです。

私もプロフェショナルを見ました。
介護の世界には大谷さんのような方がいらっしゃいますね。
みなさんこころあたりがあるのではないでしょうか。
職場でも多くの人が見ていました。
仕事への姿勢を見直すことができたのではないでしょうか。
私もそうでした。
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