岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

 『遠野学』 東北の旅 65

2013-06-26 05:43:23 | 東北 2013年4月
『遠野学』は、遠野市遠野文化研究センターが発行しています。
その創刊号です。2012年3月に出版されています。
遠野文化研究センターの所長は、東北学の提唱者 赤坂憲雄さんです。
遠野文化研究センターは大震災の直後、ひっそりと発足したといいます。


2011年6月12日 早くも遠野文化研究センター主催による第1回文化復興支援シンポジウムが開かれました。
被災地の行政担当者らも出席して開かれたこのシンポジウムで、三陸文化復興プロジェクトがスタートしました。

文化が残らない復興は本当の復興ではない。
・文化財の保存・修復 芸術・芸能の復興
・献本活動⇒壊滅した大槌町、陸前高田市の図書館の再建時に提供する図書を全国から集め整理分類する。
・災害アーカイブセンターの設立
・記憶のアーカイブセンター構想
・三陸海岸全体での文化財を守る構想

遠野文化研究センターが震災の年にスタートしたことで、三陸被災地の文化復興拠点ができました。

遠野市は震災直後には救援活動、そしてその時期を過ぎれば、復興支援に取り組んでいます。
文化的な蓄積のある遠野市は被災地の文化復興を支援することができるのです。
遠野市と三陸沿岸の政治・経済・文化のつながりは強く、家族、親せきのつながりもあります。
例えば、「遠野物語」には、遠野の男が田ノ浜に婿に行き、その妻を津波にとられた話があります。
明治三陸大津波の時のことです。
大変興味深い話です。
「遠野物語」は決して昔話だけを収集しているわけではありません。


私は、この東北の旅では、復興についてほとんど語っていません。
それは、本を読むなり現地でお話を聞くなりした程度の知識では、一人の旅人でしかない私には、語ることができないのです。
果たして、住民の方々の気持ちに沿っての復興になっているかと危惧しています。
注意深く見守っていかなくてはなりません。


復興に関する書物はまだまだ少ないですね。

つくることが生きること -東日本大震災復興支援プロジェクト-
一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドN
一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドN



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