北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

室蘭のいろいろ

2009-08-19 23:50:08 | Weblog
 室蘭への日帰り出張へ行ってきました。東京からは思いのほか遠かったです。

 室蘭で別働隊のチームと合流して、昼時に室蘭新名物カレーラーメンを食べていると、室蘭にいる知人のUさんから私の携帯にメールが入りました。

「今ブログを見たところです。室蘭にいるんですか?ちょっと会いに行きたいのですが」おお~、これは懐かしい、二年ぶりの再会です。

 Uさんに市内を少し案内してもらって、鉄の町室蘭の新しい工芸品「ボルタ」の工房へ連れて行ってもらいました。

 

 このボルタ、ネジの組み合わせて溶接し、いろいろなスポーツ動作や仕草、動きを表現したキャラクターになっています。形は全部で100体あって、それぞれに物語があるのだとか。

 ちょっとひょうきんな姿と鉄の町というアイデンティティでいま人気が出ているのだそうです。ネジだけなら安い部品が、組み合わせることで大きな付加価値を生み出しています。
 人気キャラランキングで言えば、ポストまりもっこりはボルターということなのかも。

    ※    ※    ※    ※

 市役所での打ち合わせを終えて、今度は市会議員をしている知人のAさんと会いました。4年ぶりくらいでしょうか、こちらも懐かしい。

 Aさんに今関心を持っているテーマは何ですか、と訊いてみたところ、「廃屋です」との答えが返ってきました。

「廃屋…ですか?」
「そうです。室蘭も地域の高齢化と人口減少が相まって、病気で言うと多様な症状が現れていますが、私はその中でいま廃屋をウォッチしているんです」

「廃屋なんてそんなにあるものですか?」
「あります。ここのところずっと探して歩いていて、今市内には66棟の廃屋があります。廃屋もそのまま建っていてくれるのならまだ良いですが、強い風が吹いたときに廃屋の屋根が剥がれて隣家に当たったり、家の壁や部品が歩道に落ちてきたりして、倒壊危険家屋として実に危ない社会問題になりつつあるんです」

「家の持ち主はどうしているんですか?」
「商家なら倒産で夜逃げしてしまったとか、家ならば高齢者が亡くなって相続人が見つからないとかいろいろです。一番良いのは撤去することですが、一義的には民間財産なので公共が勝手に手を出すことはできません。公共がそうした問題を解決する道筋そのものが確立していないので、行政は尻込みするばかりです。そうするうちにどんどん廃屋は増えるというわけです」
 
「いずれ日本中を襲う問題かも知れませんね」
「はい。それに室蘭独自の都市問題として、平地が少なかったために、昔から住宅地が坂の上の方へ上の方へと開発されていったために、坂の上の地域が高齢化して移動手段を失えば、買い物に行けなくなったり日常活動に支障を生じてきています。そこで配達サービスということになるのですが、米だったら米びつに入れてあげるところまでやらないとだめなくらいなお年寄りばかりですからね。地域の高齢化と人口減少は大変な様相を示してくるでしょうね」


 こうした住宅地ではお年寄りが亡くなった後も売れないし、管理もできないということで市への寄付を申し出る事例も多いのだとか。

 100年前は山だったところを切り開いて住宅にしたのだから、100年掛けて山へ戻せばよい、という意見もありますが単純な話ではなさそう。

 廃屋に対しても、行政の対応部局が建築から税制、福祉、まちづくりなど多岐にわたるために筋の通った対応ができていないのだとも。

 インフルエンザという病気にかかると熱が出たり咳が出たりといった症状が現れますが、人口減少・少子高齢化という社会の病気が蔓延するとどのような症状が現れ、その対応としてどんな工夫をし、また処方箋として何が必要か、などを、現場の声として明らかにしてほしいところです。


 子供叱るな来た道ぞ、年寄り笑うな行く道ぞ
コメント (2)
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