北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

チリ地震津波の再来

2010-02-28 23:23:29 | Weblog
 遠く地球の裏側のチリ共和国で大地震が発生。先のハイチでの大地震と言い、今回のチリの地震と言い、南米あたりで随分大きな地震が発生しました。

 チリ・地震・津波と言えば、ちょうど50年前の1960年5月にやはりチリでの地震発生から約22時間半後の5月24日未明に、三陸海岸沿岸で最大で6メートルの津波が襲来し、142名が死亡したチリ地震津波を忘れることはできないでしょう。

 その当時は世界レベルでもこうした遠隔地津波に対する認識が甘く、まさか地球の裏側から津波がやってくるとは想像もできなかったわけで、人名を含む大きな被害が発生してしまいました。

 しかしその後の研究の成果のおかげで、今では遠隔地の津波情報も把握できるようになりましたし、日本の近くの地震でも津波の発生予想の制度をあげる努力が続けられています。

 今回もその反省から、早い段階で避難勧告や避難指示がだされ今のところ人名に関する被害がないようで何よりです。

 それにしても、時間を早回しした映像でみるみるうちに水位が上がり、また下がって行く様子というのは貴重なものですが、陸上部よりも水位が上がるというのは実に恐ろしいものです。

 今回は最大で1.2mの津波と言うことでしたが、これが2m、3mだったら、と思うとぞっとします。

    ※    ※    ※    ※

 よく戦争は「意思と能力」によって起こると言われます。一定の制圧できる武力があって、それを行使するという意思が発現した時が戦争というわけです。

 神の意思である災害もまた同様に、いつその意思が発現するかは計り知れません。だからこそ、災害の大きさという神の能力を推し量り、それに対応する備えを怠らないというのが人間ができるわずかな抵抗であるわけです。
 
 今回も世界中に張り巡らされた地震情報の収集提供システムが功を奏して、いつくらいに日本に到達するのか、ということがかなり正確に情報提供されました。

 同時に、マスコミを始めとする情報提供システムや地域防災放送、地域の協力体制によって避難活動も順調に行われました。

 何度かの津波被害を乗り越えて全国に整備されてきた津波防潮堤も今回は効果を上げたのでしょうか。

 天災の被害を少しでも軽減しようと言う、人間の連綿と細々としたインフラ整備の価値がこういう危急の時こそ分かります。

 意思は次の瞬間にも発現されるのですが、備えという能力を確保するのには時間が必要ですし、それをメンテナンスするにはその必要性に対する強い価値観念が必要なのです。

 のど元を過ぎればすぐに忘れてしまって、「そんなのまだ必要なの?」という声に抗うには危機に対する備えの心を頭の片隅から追いやってしまっては行けないのです。

 災害の怖さと同時に、日本の底力も垣間見えたような気がします。
コメント
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