午前中に秋田市を出発して、姉妹都市の湯沢市へと向かいました。
駅へ向かうバスの中で、「汽車が止まっているからどうなるかな…」という乗客の会話を聞いて不安な思いで駅へと向かいます。
秋田駅では案の定降雪と強風のために、汽車は軒並み遅延が発生し、東京行きの新幹線「こまち」も運休の報せが掲示されています。
秋田から湯沢へは12時30分発の汽車に乗るつもりでしたが、駅員さんに問い合わせると、まだ11時37分発が出発していないので、これに乗る方が良いとのこと。
勧められるままに車両に乗り込んで出発を待っていると、汽車は12時39分頃に出発。雪のためにノロノロ運転をしながら湯沢駅へと向かいます。
結局、最初に予定した到着時間より30分遅れで湯沢駅に到着。無事に到着以降の予定をこなすことができました。雪まみれの汽車に、鉄道ファンでなくてもその頑張りに感動です。
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湯沢市へ到着してからは市役所や商工会議所を表敬訪問したあとに、著名な両関酒造を訪ねて、大正年間に建てられ、登録有形文化財にもなった酒蔵を見学させて頂きました。
実は湯沢市の近くには、17世紀初頭に発見され戦後まで産出した院内銀山があり、ここはかつて東洋一と謳われた銀山だったとのこと。
江戸時代に今の秋田市が人口二万人ほどだった頃に、ここ湯沢市はそれ以上の繁栄を誇ったという記録があるとか。
この銀山による人口集積があったために、酒や味噌などの生活物資が求められ、多くの酒蔵が栄えたのだそう。
こうした歴史では釧路はとてもかないません。
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そして極めつけは、湯沢市は絶世の美女とされた女流歌人である小野小町が生まれた土地であるという伝説です。
和歌に長けて、六歌仙、三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人とされ、百人一首にもその歌が残されているほど好かれた小野小町。
姉妹都市であるということは、こうした都市の歴史・資源・財産も我々と縁があるということで、お互いの都市の自慢を持ち寄ることでわがマチの誇りも高くなると言うことです。
今日私も市内を見学させてもらって、このような湯沢の歴史的文化的資源を紹介していただき、改めて目からウロコが落ちました。
しかしともすると、自分のマチだけを見ていると刺激が薄れてしまってそのすばらしさに麻痺してしまいがちになるので、たまには姉妹都市同士の相互交流によって、「あなたのマチのここがすごい!」という評価をしてもらうということもよいかもしれません。
絶対に避難めいたことを言わず、シンパシーを持った中で相手のマチを評価してくれるヨソ者である文化的監査委員というような役割を姉妹都市交流に期待してはいかがでしょうか。
姉妹都市。
「あなたのモノは俺のモノ」とは言い過ぎですが、せっかくできたご縁ですから、単なる仲良しよりも双方を高め合う関係が良いですね。