釧路新聞「巷論」欄に、道東の鉄道と鉄道ファンを巡る話題を載せてもらいました。
私は鉄道ファンではありませんが、鉄道ファンの生態には非常に興味があって、鉄道にかける熱い思いを非常に興味深く見ています。
以前にも紹介した「釧路臨港鉄道の会」の新年会に誘われたときの経験から、道東の鉄道の魅力の理由を書いてみました。
今日の巷論を読んで、何人かの鉄道ファンから、「鉄道ファンの声を代弁してくれてありがとうございます」という連絡が寄せられました。
いや面白い人たちです。
【巷論】『道東は鉄チャンの聖地~ここにしかない鉄道の風景』
鉄道ファン、鉄道マニアをある種の諧謔(かいぎゃく)を込めて「鉄」あるいは「鉄チャン」と呼ぶ。
鉄にも様々あって、鉄道写真愛好家を「撮り鉄」、乗るのが好きなのを「乗り鉄」、さらには音鉄、模型鉄、収集鉄、時刻表鉄…とまあ、マニアの世界に理由はない。好きなものは好きなのだから仕方がない。
そんな鉄チャンたちにとって聖地の一つが釧路を中心とした道東だ。特に、釧網線や花咲線に狂おしいほどの憧れを持って訪れる鉄チャンは少なくない。
その憧れの要素は、日本らしからぬ原野を背景に、素朴な汽車がひた走るノスタルジックな風景で、それはもうここにしかない唯一のものだ、という。
一月末に、地元釧路の鉄道ファンの集まりである「釧路臨港鉄道の会」の新年会に誘われた。
元々、SL冬の湿原号のウリはSLを二両連ねた重連で走る日があることだったが、一両が故障のため、今シーズンは一両での牽引とされ、あげくにこの日は悪天候で運休という始末。
臨港鉄道の会の新年会には、金曜の夜に大坂の堺市から夜行バスに乗り、土曜日の朝朝に新宿に着き羽田空港からJALに飛び乗り、到着した釧路空港からレンタカーで、鉄橋がある撮影ポイントの釧路川カヌー乗り場まで直行してきた…のに、「運休でホンマがっかりですわ」という撮り鉄が飛び入り参加していた。笑うしかないが、そのすさまじいエネルギーには脱帽だ。
聞けば、JRも工夫していて、SLはディーゼルの後押しなしの本気だし、釧路駅から逆向きにバックで引っ張り、釧路へ戻る時にSLが先頭になる運行をしてみたり、ルパン列車を作ってみたりと、この日しかない風景の演出に力を入れている。
こうした運行を支えているのは、JR釧路支社のサービス精神と鉄道沿線の自治体や観光関係機関、そして地元鉄道ファンたちの連携協力の力だ。
炭鉱が生きていて、石炭を運ぶ運炭列車が残るのも釧路だけ。道東の鉄道の魅力は強烈だ。
(ガールスカウト日本連盟評議員 小松正明)
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オタクやマニアの世界は他人にはわからないものですが、一生懸命な姿にはどこか面白みが出てきます。
わざわざお金と時間をかけてきた旅で、求める映像や音などの手に入れようとする執念にも驚きます。
鉄道ファンのもはや聖地と呼べるのが道東というわけです。
そんな鉄道の魅力に溢れた釧路ですが、来週末には今年が五回目となる「海底力モニター見学会&体験会」というツアーが開かれます。
日本で唯一の稼行炭鉱である釧路コールマイン(KCM)にも協力をいただいて、運炭列車にも近づいて写真を撮ることができます。
20名ほどを募集するツアーですが、すぐに完売。半分はリピーターによる参加者だそうで、これを楽しみにしているコアなファンっているんですね。
地元釧路の鉄道ファンとの交流会も楽しそうですよ。