道北のナントカ別町は人口約1,800人。基幹産業は酪農の町なのですが、作られる生乳のほとんどは町外に運ばれて、多くは加工乳製品になっています。
せっかく自分たちの町で採れるというのに町内で消費されることがないために、そもそも味もわからない。
そこでこのナントカ別町の町長さんが一念発起して、町内にミルクプラントを作り地元産の牛乳を飲めるようにしました。その名も「ナントカ牛乳」。
「え?ナントカ牛乳ってどこの牛乳?ナントカ別町ってちゃんとした名前はなに?」
名前が珍しくて改めて地図を調べて、「ここだったんだ!」とわかる人が続出。
世はなべてネット販売の時代。なんでも注文をすれば宅配ですぐに送ってくれる世の中です。
しかしナントカ牛乳は長期の保存が効かないので、飲みたいと思ったら地元へ行くしかありません。送ることができれば単なる「お取り寄せ」の味で終わってしまいますが、地元へ来て味わってみると、風景ともマッチして印象がさらに強くなります。
味は濃厚だけどすっきりで飲みやすいと評判。ナントカ牛乳によるアイスクリームやソフトクリームも作って、北海道の最北端を目指す人たちはわざわざ遠回りをして、ナントカアイス、ナントカソフトを食べずにはおられない名物になりました。
町長さんに訊いてみたところ、「ナントカ牛乳といいますが、プラントを作るのには苦労をして、ナントカようやくここまで来たという感じなんです」とのこと。
そういう意味でのナントカ牛乳なのかと思うと、一層味わいも深みが増すというものです。
北海道を旅するならば、一度はこのナントカ牛乳を目指して、なんとかたどり着いて飲んでみてほしいなあ…
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…というところで夢から覚めました。(夢か…)。
ナントカ牛乳なんてふざけた名前じゃ売れないか…、と思っていると、なんと中頓別(なかとんべつ)町で「なかとん牛乳」が作られて披露された、中頓別町長さんのフェイスブックで知りました。
中頓別町は北海道の中でも道北に位置する酪農の町ですが、これからもいろいろ工夫して地元の産物にしてほしいものです。
私の夢が正夢になるといいなあ。