今日は美唄市で開催された第45回「北海道都市問題会議」でのパネルディスカッションに参加してきました。
美唄市で開催されたこの会議は、道内で多くの首長さんや役所職員が参加するもので、北海道都市地域学会が主催です。
今回の開催テーマは「人口減少社会におけるまちづくりのデザイン~ポスト・コロナ 田園回帰の社会へ」というもの。
基調講演には京都大学こころの未来研究センターの広井良典教授が「人口減少・成熟社会のデザイン」ということで、日本や世界での成長一辺倒を目指す社会とは一線を画す事例を多く紹介いただきました。
パネルディスカッションのテーマは「美唄に暮らす喜びと誇りが感じられるまちづくり」というものした。
私への依頼内容と役回りは、広井先生が提唱されている「地域コミュニティを支える文化や倫理」という言葉から発送して、二宮尊徳の「報徳のまちづくり」について話をしてほしい、というもの。
実はここ美唄にはかつて小林篤一さんという方がいて、後のJAやホクレンに繋がる産業組合づくりに邁進された、報徳運動にとっても特別な土地柄です。
文献による報徳についての知識であれば、私などよりはるかに多くのことをお話しできる方はたくさんおられるでしょうが、まちづくりに寄せて報徳活動をお話しするのであれば、私にも多少の得手な部分があるかと思い喜んで参加させていただきました。
報徳は、神道・仏教・儒教を混ぜ合わせた形で日本人の心に響く教えを行って人々の心の教化を図り、より良い地域社会づくりを目指したものですが、今日参考になるのは、当時の農村社会を前提とした地域経営手法と言うよりは、よそから来たコンサルタントとして、人々に敬愛されて心の荒蕪を取り払ったリーダーシップ論ではないか、というのが私の持論です。
まあパネリストの一人としては多くの時間をいただけたわけではありませんが、美唄だけあってパネルディスカッション終了後に「懐かしい」とか「大事だと思うけれど段々廃れているように思えるのが残念」と言って声をかけてくださる方がいて意を強くしました。
報徳の「分度・推譲」などは、今日のSDGsに繋がるような「むさぼらず差し出す」ことで永続的な繁栄につながる徳目であり、改めて再考する価値があると思います。
「今度うちの学生に聞かせてあげて」と言ってくださる大学の先生もいて、良い営業になったかも。
終わった後は美唄焼き鳥で感想を語り合いました。
地域の暮らしに品格と哲学を。
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