日ごろから「生涯学習で人生を豊かにしましょう」などと吹聴している私ですが、ときどき「こんなことも知らなかったのか!?」と我ながら驚くことがあります。
実はここのところ、自分が関わっている日本都市計画学会で、高校の学習指導要領が改訂されて来年2022年度から高校必修となる「地理総合」に支援をしようという取り組みが始まっています。
「地理」は、科目の変遷の中であっちにいったりこっちにいったりした教科ですが、今般高校学習指導要領が改訂されて来年2022年度からは、新しく「地理総合」という科目が必修となり、「地理探求」が選択履修ということになりました。
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必修になった「地理総合」では学習項目として3つの大項目が示され、それらは
A 地図や地理情報システムで捉える現代社会
B 国際理解と国際教育
C 持続可能な地域づくりと私たち、という3つ。
そしてこの大項目Cの中に含まれるのが「生活圏の調査と地域の展望」という項目で、これこそまさにわが都市計画学会が活動してきたフィールではないか、ということで、我々がこれまで培ってきた知識やノウハウをうまく高校教員や高校生に伝えることで、より豊かな人格形成に寄与できるのではないか、と考えているのです。
そんなこんなで私もいくつかの高校をお訪ねして地理の先生にお会いして、意見交換をしてきましたが、おおむね好意的に受け止めてくださっているので、今後どんな形で協力ができるかを考えて取り組んでゆきたいと思っているところです。
ところで、そんなことから改めて地理を勉強してみたりしているのですが、早速「モンスーン気候」という単語に出会って、日本の気候を勉強すると必ず目にしてきたはずの単語で聞いたことはあるはずなのに、自分がちゃんと説明できないことに愕然としました。
「モンスーン」とは、「ある地域で、一定の方角への風が特によく吹く傾向があるとき(その風を卓越風と呼ぶが)、季節によって風の吹く方角(卓越風向)が変化するものを呼ぶ」(Wikipediaより)とのこと。
普通は大陸と海の暖まり方の季節的な差によって、『大陸から海へ風が吹く季節』と『海から大陸に風が吹く季節』が生まれます。
そして風が大陸から海へ吹くときは乾いた風(乾季)になり、海から大陸に吹くときは湿った風(雨季)になるというわけ。
ところが日本の場合は、「夏季には太平洋高気圧から吹き出す南東風が卓越し、冬季にはシベリア高気圧から吹き出す北西風が卓越する。
大陸からの季節風は乾燥しているのが普通であるが、日本海を渡る間に暖流の対馬海流が流れている海面から水蒸気の供給を受けて変質して湿った空気となる点が特異的である。
この湿った季節風により日本海側に大雪がもたらされる」というわけで、卓越風が南北に変わるにも拘らず日本で大陸から吹く風は大雪をもたらすのが特異的なのだと。
改めてそう言われると当たり前のことですが、「モンスーン」という単語とは全く結びついていなくて、恥ずかしい限りです。
今回も強い大陸からの北風のせいで道内は大雪。これがまさに日本のモンスーンなわけです。
こんな基本的な単語も、よく知らないままにしておいて恥ずかしい。
地理を勉強しなおして、高校の先生たちと意見交換に臨みます。
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