北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

お葬式には慣れていないのです

2014-11-10 21:44:33 | Weblog

 北見にいる伯母が急逝したという知らせを受けて、明日はお通夜。急きょ実家の親を連れて北見へ向かうことにしました。

 わが一族は親類縁者が少ないこともあって、お葬式に立ち会うということがほとんどなかったため、さて何をすればよいのか、という心の準備ができていません。

 伯母の子供であるいとこに連絡を取ってみたところ、「親に代わって自分が雑務をやらなきゃと思うけど、どこに連絡をすればよいのかに始まっていろいろな注文などの決め事が全部自分に被って来るので処理しきれないよ」と嘆いていました。

 昔なら町内会とか職場が仕切ってことを進めてくれたのでしょうが、葬儀そのものが簡便になって業者さんが仕切る分、いろいろな決め事が身内への負担がなっているようです。

 何事も慣れることが必要かと思いますが、不幸なできごとに慣れるというのもちょっと悲しいですね。

 明日は北見へ行ってきます。

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パ酒ポート全スタンプ制覇達成!

2014-11-09 23:45:37 | Weblog

 

 酒造所巡りスタンプラリーの"パ酒ポート"ですが、今日七飯町の「はこだてわいん葡萄館」を訪ねて、ここで全てのスタンプ取得が完了しました。

 今年のパ酒ポートに参加している酒造所は全部で22カ所ですが、それら全てを巡り終えたのです。

 日帰りでのドライブはちょっと大変でしたが、これで完結と思えば力も湧いてくるものです。はこだてわいんでお店の方に、「パ酒ポートのスタンプはここが最後でした」と言うと、「そういう方が多いですね。やっぱり遠いんでしょうね(笑)」と笑っていました。

 パ酒ポートは押したスタンプの数で、景品の異なるいくつかのコースに応募できるのですが、完全制覇するとホテルのペア宿泊券の抽選を受けられます。おまけに抽選での景品意外に完全制覇者にはアドバイザーである酒場詩人吉田類さんの似顔絵入りオリジナル手拭いがもらえます。

 
 今日最後に訪ねたはこだてわいんさんは、ワインづくりでは道内最古と言ってよい歴史があり、最初の葡萄栽培の歴史は明治初年にまで遡るとのこと。

 本格的に企業として活動を始めたのは昭和の初期頃からですが、最初の頃は山ブドウを原料とするワインをつくり、北洋船団が良い相手客だったとか。

 札幌オリンピックが開かれた昭和48年に、現在の株式会社はこだてわいんが設立され、本格的なワインづくりを始めたそう。しかしこの函館地域はワイン用の葡萄栽培には必ずしも適した土地ではなかったようで、初期の頃の葡萄は収穫量が年々落ちていきました。

 そこで新たなワイン専用品種の葡萄栽培に取り組み、余市方面の農家を一軒一軒訪ね、ブドウの苗木栽培をお願いして歩いたそう。そのころは観光果樹園の経営の羽振りが良く、果樹農家からは面倒くさいワイン用葡萄栽培は簡単に受け入れられませんでしたが、熱心に口説く中で次第に協力してくれる農家さんも増え、今日に至っているそう。

 歴史のある函館地域だけあって、北海道のワイン作りには欠かせない立ち位置を持っていると言えそうです。


       ◆ 


 スタンプ集めは数の溜まっていない最初よりも、残り少ない最後に盛り上がりが来るものです。

 でも最後はもう景品が欲しいというよりも、「とにかく完全制覇したい!」という満足感だけを求めて車を走らせました。

 パ酒ポートのおかげで足がどうしてもむかなかったり、全く知らなかったような様々な酒造所を知ることができました。酒造所での何気ない会話の中に、先方では当たり前のことをこちらでは意外な知識として勉強になることが実に多くありました。
 
 旅をすれば目的地でのスタンプ以外にもその途中での出会いや気づきもあるもので、改めて北海道の広さと奥深さを味わったなあ、と感慨もひとしおです。

 おそらく、今回のパ酒ポートに参加していないけれどそれでも立派に製品を作り出している酒造所はまだまだあるはずです。自分なりのテーマを持って地域を巡るとさらに素敵な出会いがあることでしょう。

 パ酒ポートでの出会い旅に感謝です。酒代はバカになりませんでしたが良い授業料だと思えます。おかげで道内をさらに生涯学習することができました。

 地域を知ることは絶対善なのです。

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天の道、人の道~大学の圃場ボランティア

2014-11-08 19:53:58 | Weblog

 

 母校北大農学部の卒業した講座では花や花木を植えた見本庭園を所有しているのですが、最近は管理する人たちが少なくなったために荒れて来ていました。

 それを憂いた講座の先生やOBが奮起してここ何年かボランティアで管理作業を行うようになり、だんだんに状態が改善。最近では3年生、4年生の外、大学院生たちも参加して、園芸のプロのOBから管理のやり方を毎回指導してもらうよいきっかけにもなっています。

 授業での演習以上に実践に即した管理スキルや、その他園芸に関する知識や話題が豊富に聞けるので素晴らしい時間になっています。

 ほぼ二週間に一度開かれているのですが、私はシーズン初めに参加していら釣りが始まってからはだいぶご無沙汰していました。

 今日は今シーズンの最終日という知らせが入ったので、シーズン最後の御奉公をしてきました。

 
 今日の主な作業は冬囲いや枯葉の処理、雪の季節を迎えて高木の大枝落としなどで、若い人たちはみなそちらに駆り出されてゆきました。

 私の方は、人数をかけられる作業は皆さんに任せることにして、作業道具や資材を保管している保管小屋の掃除をすることに。

 例年この時期は妙高高原にある友人のペンション掃除に行くのですが、今年はいろいろな事情から開催しないことになったので、掃除への気持ちが少し溜まっていて格好の掃除対象を見つけました。

 もう建ててから数十年が経つ古い木造の小屋ですが、今年になって基礎部を修繕したので少し立派になりました。

 しかし中に置かれている道具も、中には前回は一体いつ使ったのかと思うようなものも多く、当然その周りの掃除も行き届いていません。

(これはいい)とほくそえみながら、壁や梁のすす払いから始まって動かされていない道具を一度どけて空間を作りながら掃き掃除を開始。道具もそれなりに数がありますが、奥の汚れを掃き出してやります。

 もう長く掃除などされていなかったので、一度手を付け始めると止めどもなくなりそうなところもありましたが、時間の範囲内で随分と見た目も美しくなりました。


       ◆ 

 「一隅を照らす」というのが私の掃除の哲学。関心の行き届かない片隅に関心を寄せてそこに手を入れるのが掃除です。

 木や花で空間を彩るのが造園だと思っているかもしれませんが、実は空間に人間の手を入れるという意味では造園と掃除とは同じベクトルと言えます。
 
 木を植えっぱなしにせず手入れをするということも汚れた片隅を掃除するということは、どちらも報徳の「天の道、人の道」に通じます。

 尊徳先生は「世の中には天の道と人の道がある。あまねくあらゆる植物を育てようとするのが天の道だが、人はその中から米麦など必要な作物はこれを育て、望まない雑草は取り除くのが人の道だ」とおっしゃいます。

 勝手に伸びようとする枝を切り望みの形にするのが人の道であり、無秩序になろうとする空間を整理して秩序を与えるのが掃除であり人の道というわけです。

 
 若い学生さんたちとの交流にもなりOBの同窓会という要素もある圃場ボランティア。心地よい汗をかきました。

 

 

 

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地域創生のデザイン(後篇)

2014-11-07 23:11:40 | Weblog

 さて、昨日は山先生の指摘として、社会環境を転換する5つの条件に
①空間克服の更なる進展
②産業構造の高度化
③人口構造の変化
④世界経済の構造変化
⑤エネルギー利用の変化 ということを挙げました。

 今日はこれらに対する考え方について引き続き講演からのレポートです。


 ①の空間克服の更なる進展はこれからも進む。人・モノ・情報の動かし方をさらに効率化して、様々なボトルネックの解消が進む。ネットの技術もさらに進化し新しいビジネスを生み出すだろうが、それでもフェイス・トゥ・フェイスの情報伝達ニーズが失われることはない。

 それにも関連するが、②の産業構造の高度化としては先進国は1次産業が減り、二次産業が減り、三次(サービス)産業だけが増えるという形で変化する。人間の欲望を満たす新しいサービスが次々に生まれては消えて行くが、それを雇用として支えるのはやはり人間の数という都市の力にほかならない。
 新しいサービスを享受しようと思えば都市に住むしかないのだ。

 例えば歯医者、内科、コンビニが成立する最低集落の限界は人口3千人と言われているそうで、地方都市は人口が減っていく中でそれでも集積を維持するか高めることで各種サービス業態が残れるようなガンバリが必要だ。

        ◆   

 しかしそうは言っても日本の人口はちょっと手を打つのが遅れたこともあって、これからどんどん減少する。その動きには逆らえなくて、地方の集落を今のまま維持するのは難しくなることはやむをえない。

 それを、より大きな都市が周辺の小規模自治体と連携して支え合うシステムとして総務省は『定住自立圏構想』を制度化し、国土交通省は『国土のグランドデザイン2050』としてこれからの社会の進むべき方向を示している。

 人口が減ったところでは空き家や土地余りが生じるが、それを効率的に土地利用転換を図り暮らしやすい地域にできればよし。できなければ劣化した地域になる。そのやり方は一言で片付くような妙案はない。
 
 しかしたとえば空き家を更地にすれば固定資産税が高くなるために地主・家主は空き家のまま放置する方を選ぶというようなことがネックになっているのなら、それを国として解消するような動きを加速させた方が良いだろう。そういう地域が変わろうとする自助努力を妨げるハードルがあるならそれを取り除くのは国の責任だ。

 
 ④、⑤の世界経済の中で日本を見ると、BRICSを始め世界が経済発展する中で相対的な日本の地位は下がる。かつて世界に覇を唱えつつも今は小さな国になったオランダになぞらえて、「日本は大きなオランダになれるのか」というテーマが語られている。


        ◆     


 さて、いよいよ地方活性化の戦略だ。

 東京が世界四大都市の一つとして君臨しているのは良いとして、世界の国々の首都クラスの二級世界都市、そしてその下を三級世界都市としてみれば福岡や札幌などの政令指定都市はもっと国際的に打って出るような戦略があってよいのではないか。

 そういう都市では"市民のための施策"と"国際的にステータスを得るための施策"をちゃんと分けて考えるべきだ。そうしないと、"市民のためには無駄な政策"というレッテルを貼られてしまって大きな打ち出しができない。
 福岡のシーサイドももちなどは港湾局による開発だが、庶民には手が届かない高級住宅地開発などはよくやったと思う。

 
 地方自治体の行政ができないことをNPOが支えるようになった。NPOなど市民意識が高まったとも考えられるが別な視点から見ると行政がサービスを放棄しつつある。最高の行政サービスを住民に安価に提供するためには、さまざまな批判を乗り越えて社会実験的な試みを数多く繰り出す事が必要だ。
 佐賀県の武雄市が図書館をツタヤに管理委託して成功を収めているが、従来の図書館管理の概念からはかけ離れた取り組みだ。中央官僚出身の市長が頑張って実践したが、当初は賛否あって世間は注目していた。このようなブレイクスルーを支持するような機運があるべきだ。


 大企業の取り組みも侮れなくて、うまくその力と地方自治体のマッチングが成立すればもっといろいろなことができるだろう。北海道では浜中町のタカナシ牛乳を世界企業のハーゲンダッツもスターバックスも使っている。値段が上がってもそこにここの牛乳を使う価値を企業は見いだしている。


 最近の企業の社会貢献はかつてCSR(コーポレート・ソ-シャル・レスポンシビリティ=企業の社会的責任)というお金を拠出して企業活動と別にその儲けの一部を差し出すという形から、企業のビジネス活動そのもので社会的価値を創造するCSV(クリエイティング・シェアド・バリュー)という新しい概念が生まれつつある。
 企業がやりたいことと地域の望みがうまくマッチングできれば、企業の力が地域を守り育て支援するという動きが活発になるのに、と思う。


 一次産業と二次産業をサービスの三次産業と組み合わせた「六次産業化」という言葉があるが、これは一次産業からスタートするのではなく、六次産業から始めてそれが一次産業に繋がるという「逆六次産業」というアプローチの方が良いと思う。
 地域に旨い産物があるからそれを宣伝して売るという戦略をとりがちだが、しばしば日本の産物がそのまま外国人の口には合わないという事例は多い。

 今日本から病院(というシステム)を東南アジアに輸出しようという動きがある。そういうシステムがうまく着生すればそこで使う漢方薬や食品は日本のモノが使われる、という流れだ。
 
 (なるほどいろいろな食材も、それを食べる文化やアニメなどと一緒に輸出することはあるでしょうね。ドラえもんが食べるどら焼きが海外で人気なんてこともあるかもしれません)

 
 
        ◆  


 最後に北海道の話題。

 函館まで新幹線が通るインパクトをもっと生かしたい。東京都と函館・札幌の間に新幹線による高速交通が増えると言うことは、もしかしたら羽田~新千歳間の飛行機の便を減らしても良くなるのかも知れない。するとそれは羽田の発着枠をより効率的に他に振り返ることができる意味で、羽田を助けることにも繋がる可能性があると私は言っているけれど、反応は鈍い(笑)。

 青函トンネルも貨物列車が一緒に走るのでこの区間は時速140kmしか出せないというハンデがある。この際、もう一本掘ってスピードがアップすれば羽田空港をなお一層救うことができるので、国家プロジェクトとしての意義は深い…と北海道の人は思った方が良いのではないか。

 夢のような話だが、新千歳空港の自衛隊に別なところに移転してもらえれば、新千歳空港はを平行滑走路4本という大空港になる。そうなったら新幹線も札幌を越えて執着が新千歳空港という夢もあるのではないか。

 実はリニアモーターカーも、首都圏をどう走るかにいろいろな構想がある。その中の一つに、羽田空港の地下をとおり、成田、茨城空港を結んだら面白いという事も出ている。

 あとは言い尽くされた感もあるが、都市のコンパクト化と経済圏の広域化、出生率の向上、地域や都市のグローバル化対応、巨大災害へのバックアップなど、やれることをとにかくやるしかない。

 
         
 【以下私の感想です】

 …と、夢のような話から、リアルに起きていることをどう考えるか、大企業とのマッチング、六次産業から始めよう、など刺激的な話題が満載でした。

 私の感想としては、やはり日本の人口が減る中で、地域ポテンシャルを理解している地方自治体が単体あるいは周辺と連携し力を合わせて企業と組むようなことを橋渡しする地域人材やコーディネーターの力が必要だと感じました。地方自治体にも企業のCSRやCSVを引っ張り出せるような人材や能力が必要です。

 そしてそこでスマッシュヒットを打てれば、内外の注目を浴びて生き残れる地域になり得るし、そういう(残念ながら)地域ポテンシャルもセンスも行動力もなければただ枯れていくしかない未来が待っているということなのかと。

 自分も自治体にいた経験で言うと、どうしても対市民や対県庁(道庁)のような目先の事ばかりが気になってしまいがちです。思い切り外にいる人から地域がどう見えて、どういうことをすると良いというようなアドバイスを受けて、それを実行に移せるなら理想ですが、財政に余裕がない中ではどうしても世間を相手に打って出るような政策は打ちにくいのが現状です。
 
 安倍政権がまち・ひと・しごと創生本部を作って地方を支援しようというのなら、今の市民の暮らしを救済するための交付金ではなく、今までやったことがない新しい試みにしか使えないような交付金というのはどうでしょう。

 もちろん費用対効果を勘案した上で配布しますが、それは絶対確実な固いものではなく、少しやんちゃでリスクがあっても良く、例え結果的に失敗しても、それはとがめない。その失敗が後に繋がるようなレポートがあれば良い、というような制度はどうでしょう。

 自治体が自ら行うのであれば、今の地方財政の中からの捻出はできない挑戦に予算や人材を配分できるような制度を幅広く認めるようなユルいものであって欲しいと思います。

 また逆に失敗しても首長の責任にならないような制度で、発想そのものもちょっと外からの視点と言うことであれば、地元の要望を受けた都道府県の上級自治体が実施するとか、国交省などの政府機関が自治体をフィールドにして実施すると言うこともあるかもしれません。

 北海道には下川町のように飛び跳ねて独特な政策を打ち続ける面白い自治体もあります。他で行われた先進事例をよく勉強して、自分たちのマチのポテンシャルに照らし、情熱をアイディアに変えアイディアを実行に移す一つ一つの積み重ねが必要です。

 
 "我はただ実践あるのみ"とは二宮尊徳先生の言葉です。 

 

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地域創生のデザイン~具体の事例から社会の変化を見る

2014-11-06 22:27:15 | Weblog

 中央大学の山崎朗教授による「地域創生のデザイン」というお題の講演会を聴きました。

 山崎先生は経済学がご専門で産業活性化や地域振興などに関して多くの発言や著作を続けられ、中央省庁や地方自治体などの各種委員会の委員長を歴任されている地域活性化の世界での重鎮です。

 年齢は私とさほど変わらないのですが、日本各地を調査され斬新な視点のレポートを多数書かれています。今回は北海道についてもいろいろなご提案があるというのでとても楽しみにしていました。


        ◆     


 山崎先生の講演は、日本各地はもちろん世界で今起こっている具体的な現象を捉え、そこからどのような社会の変化が起きているのか、そしてその背景は何か、という寒天で様々な話題を提供してくれます。

 例えば、「ANAが那覇空港を国際貨物便のハブ空港にしています。これは日本の荷物を成田・羽田・関空から那覇経由でアジアの各空港(ソウル、台北、上海、香港、バンコク)へ送り、またその逆に海外から沖縄経由で国内空港へと仕分けしながらさばく事業を行うものです。航空機による高速物流の可能性を追求していて、経営がどうかなと思いましたがまだ頑張って継続しています」という、高速物流の可能性の話題。


    【ANA のホームページより】

 曰く、「五島列島の宇久島(佐世保市)に、島の約四分の一の面積(630ヘクタール)に営農型太陽光発電施設を設置するプロジェクトが合意された。営農型というのは、背の高い架台を使って太陽光発電パネルを設置するが、その下の空間を利用して牧草を生い茂らせこれを酪農と共存させようという試みです。この管理を島の畜産業の方に兼業でやってもらうことで発電ビジネスと地域振興を両立させる狙いがあります」という話題。
 最近は自然エネルギー買い取り制度の根幹が揺らいでいるのでどうなるかと思いますが、メガバンクや大企業も参画しての地域活性化プロジェクトが注目されています。


    【ネットIBニュースより】


 曰く、「東京は出生率が低いと言われていますが、千代田区では出生率が上昇しました。これは千代田区にある大企業であれば最近は自社ビルの中に託児所を併設する動きがあって、子育てに便利な地域になりつつある育児環境の改善の動きです」という話題。
 山先生も国交省などが提供する人口のメッシュデータは見ていたそうですが、増田元総務大臣による『地方消滅』が受けたのは、地方自治体ごとの将来像が明らかになったことで世間の注目を浴びたのでしょう、とのこと。
 

 曰く、「長崎ちゃんぽんで知られるリンガーハットは数年前から商品が50円値上げすることを覚悟したうえで、使用する野菜を全部国産に切り替えました。中国からの冷凍野菜にはないシャキシャキ感を大事にすることと輸入野菜への不安払拭の意図があるのでしょう。ところが国内産に切り替えると今度は定番野菜の一つであるオランダサヤエンドウという野菜の供給が圧倒的に不足することがわかりました。急な需要に応えてくれる農家が見当たらず、全国をかけずり回ってやっとのことで20カ所ほどと契約してなんとか対応したそうです」とのこと。
 農家は農作物が売れないと嘆きますが、農家が直接大企業と連携することで引く手あまたの農産物として売ることができるという話題でした。


 曰く、「ツムラや龍角散が北海道で漢方生薬栽培を行っています。漢方製剤を使うお医者さんが増えている中で機械化による大規模栽培が可能な安定供給先として北海道が選ばれたと言うこと」
 これもまた、大企業と組むことで北海道の農産物生産地としてのポテンシャルは高いということでしょう。


 曰く、「パナソニックが茨木工場を売却し、グリコは東京工場を売却。YKKとYKKAPは本社機能を富山県黒部市に移転しました。このような企業が東京を離れて地方へ移転する話が結構出始めています。東京周辺の工場が移転をするとその跡地は物流拠点など新たな経済ニーズを受け入れる土地利用がなされるのでそれはそれで大いに利用価値があります。また今北陸がエリアとして注目されているのですが、それは電力料金が安いということも要素の一つになっています」
 今後電力料金が上がる北海道はつらいところで、しっかりとした安い電力供給システムを確立させないと産業は来ないし、逃げて行くかも知れません。


 さて、まだまだ事例は多いのですが、こうした動きをつぶさに見ていると、これらの動きの背景となっているのは様々な社会環境の変化だということがわかります。

 山崎先生は、社会環境を転換する5つの条件を挙げられました。それは
①空間克服の更なる進展
②産業構造の高度化
③人口構造の変化
④世界経済の構造変化
⑤エネルギー利用の変化 ということ。

 そして「もちろん社会の変化には逆らえません」としたうえで、ではこれらをどのように捉え、どういう考え方で立ち向かうべきかについて先生の説明が始まりました。

 社会の変化をネガティブにとらえてただ嘆いているばかりではなく、新しい考え方や大企業とのマッチングで環境変化を乗り切ろうという様々な取り組みが動いていることが分かりますね。

 そして先生の説明は…、おっと、今日はちょっと長くなったので続きは次回に回しましょう。後編に乞うご期待。

 

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普通と当たり前ってなんですか?

2014-11-05 23:45:36 | Weblog

 

 人生の先輩三人と一杯飲む機会がありました。

「お変わりありませんか」と訊くと、「私は健康なんですけど、姉が体が動かない難病になっていまして」とのこと。

「それは大変ですね」
「ええ、口からはもう食べる力がないので胃瘻にして栄養を取るようになっちゃいました。でも頭はしっかりしているしまだ筆談はできるので、それで意思疎通を図っています。大変なんだと思うけど、好きに生きた彼女の人生だし、今はお見舞いに行ってもそれが普通に思えてきましたよ」

 医療の進歩のおかげで、昔だったら助からないのが当たり前だったようなような病気でも今は命を長らえることができるようになりました。

 高度医療は医療費がかかるとも言いますが、それでも命を助けられる医療があるということは素晴らしいことだと思います。


      ◆   


 話題は子供たちのことになりました。なかなか就職しなかったり結婚もしない子供のことが気になります。

「でももう正規職員として就職するのが当たり前ではない時代になったんじゃないだろうか」
「そうですか?就職しないと結婚には不安になりますよね」

「結婚だってするのが当たり前ではない時代になりつつあるんじゃないか」
「それを許していたら人口減少は止まりませんよ」

「結婚せずに子供を産むことだってあるんじゃないか」
「そういう人もいるでしょうけれど多数派ではありません。日本人の多くはやはり結婚して子供を産むという形です。それが普通なんじゃないでしょうか」

 そう言っていながら、自分自身の過去の価値観が経済や人々の考え方の変化によって支持される「今の当り前」と合致しているのかなあ、と考え込んでしまいました。

 "普通"ってなんでしょう。"当たり前"ってなんでしょう。

 "時代とともに変わる価値観"と言われますが、その一方で「不易と流行」とも言われます。

 変えるべき価値観は何か。変えてはならない価値観は何か。


       ◆   


 人口減少に歯止めをかけるために、地方創生で地方の経済を上向かせて子育てもしやすい社会を作らなくてはなりません。

 そのために変えなくてはいけない規制や既存の価値観は何か。経済のためとはいえ変えてはいけない価値観は何でしょうか。

 いずれにしても何かを始めてみなくては良いも悪いも分かりません。市町村ごとに挑戦的な試みをしてみて、その反応を実際の事例から探ってみることが良いかもしれません。

 まずは市町村はもっと自由な政策をとってみてもいいんだ、という価値観とそれを許す政策はありそうですが。

 普通と当たり前では未来は変えられないのかもしれませんね。

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除雪車の納車が進む

2014-11-04 23:42:37 | Weblog

 

 昨年度の補正予算と今年度予算で発注した除雪車が次々に完成して配備先への納入が進んでいます。

 わが北海道開発局では1031台の除雪車を保有していて、これを路線ごとに配備して、地域で除雪工事を請け負ってくれている業者さんに貸与して除雪をしてもらっています。

 除雪等に使われる機材としては、除雪トラック、除雪ドーザ、グレーダー、ロータリー除雪者そして凍結防止剤散布車などの種類があります。皆さんも道路を走るライトグリーンの除雪車を見たことがあるでしょう。

 が、エンジンを使って負荷の大きな作業をする車は、がんばって整備に力を尽くしてもやはり寿命があります。自家用車でも十年くらいでそろそろ買い替え時かな、と思いますが、除雪車は高価なのでできるだけ使いたいのですがそれでも十五年が一つの目安です。

 納車してくれた製造業者さんは交換部品を十年は提供することを保障していますが、実際は十五年くらいはなんとかしてくれています。しかしそれ以降となると保守する義務もないため簡単に部品が手に入りにくくなります。

 そうしたことを総合的に考えると、除雪機械は十五年くらいで新しい機会に更新するということが現実的です。

 上記で述べた1031台の除雪車を十五年で割り算すると、一年で約70台となります。

 昨年度末には補正予算があったので、除雪機械の更新台数は約80台認められ、老朽化に少し歯止めがかかり関係者は喜んだのですが、補正予算を除くと本来の更新のための年間予算はその半分ほどです。

 なんとか適切な更新台数を確保してほしいと予算要求をしていますが、なかなか予算を増やすのは難しいのが現実です。

 
 補正予算でそれまでの年間製造台数を大幅に超える受注を受けた業者さんたちは、既存のラインをフルに使って製造に当たってくれて、ようやくこの時期に完成品を道内各所の道路事務所に納車が終わったようです。

 ハードな要求にこたえてくれた製造業者の皆さんに心から敬意を表したいと思います。

 ところで、大変な残業続きで除雪車づくりをしてくれた業者さんたちですが、「雇用を増やして新しいラインを作ってはどうですか?」と水を向けても、「そこは将来の予算の推移がどうなるかをみないとなかなか雇用や投資は難しいですね」という返事。

 補正予算でインフラ充実をしてそれが賃金の向上や雇用につながってくれるともっと経済指標も向上するのですが、やはり未来に対する期待感が高まってくれることが一番です。

 
 峠では雪の便りが聞かれるようになりました。古い車が新車になったところはぜひ張り切って除雪作業に当たっていただきたいものです。

 

 

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冬の準備

2014-11-03 23:35:51 | Weblog

 

 朝から太陽が出たり突然みぞれ交じりの雨が降ったりと荒れた天気の一日でした。

 昨日まで中山峠を越えて函館までドライブに行こうかと思っていたのですが、夜半の天気予報で「明日の峠は午後から雪」となっていたのを見てさすがに止めました。だってまだノーマルタイヤだったのです。

 心を入れ替えて朝からタイヤ交換。車の整備記録を見ると、昨年も丁度11月3日にタイヤ交換をしていて、いよいよ気持ちも冬支度に入りました。

 整備記録を見るとこの一年での走行距離は10,100kmほどでした。今年は週末ごとに釣りへ行きパ酒ポートで酒蔵をめぐるなど、相当走ったような気がしていたのですが「年間1万キロ」と言われると(そんなものかなあ)とちょっと少なく思えます。

 思い返せば、過去に年間1万キロを走った年は通勤に使っていたのでした。そう思えば、通勤や営業で走るわけでもないのに週末の休日だけで年間1万キロというのは結構走っているのかもしれませんね。

 

       ◆   

 

 夜の天気情報では中山峠は猛吹雪だったようで、峠越えはせずに正解。改めて(やめておいてよかった~)と心底ほっとしました。

 ドライブも夏から冬へと気持ちが切り替えなくてはなりませんが、ブレーキ感覚など、この切り替えがちゃんとできるまでが危ないのです。

 気を引き締めて冬を迎えましょう。

 

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日本一小さいワイナリー "マオイワイナリー"

2014-11-02 22:53:16 | Weblog

 思い立って道央周辺のパ酒ポート対象地点巡りをしてきました。

 千歳周辺のビール工場も巡りましたが、朝一番で向かったのは長沼町にあるという「マオイワイナリー」でした。

 見慣れたオートキャンプ場のマオイオートランドなどを過ぎて車は丘陵の細い道をあがって行きますが、途中に看板らしきものが全くありません。

 事前にネットでおおよその場所を調べてナビに入れてあるので案内をしてくれるのですが、直前まで「本当にこの道の先にワイナリーがあるのかな?」と不安になるくらい情報がありません。

 最後の左折のポイントにようやく「ワイナリー左折」の小さな看板があってホッとしたのですが、その先もごく細い未舗装の道を上がってようやくこじんまりとしたワイン販売所の建物が見えました。

 建物の中でパ酒ポートのスタンプを押してもらってワインを物色しているとこちらの代表をされているおじさんが「いらっしゃい」とやってきました。

 妻が試飲をさせてもらっている間にいろいろとお話を聞いてみると、ブドウ畑の広さは飛び地を含めて二町歩ほどで、年間に生産するワインは十種類でワインボトルにして9千本だそう。

 こちらのブドウだけで足りないブドウは余市あたりから買い入れて、地元のブドウとブレンドしたりして工夫しながらワインを作っているそうです。

       ◆   

 二、三台しか止められない駐車スペースですが、入れ代わり立ち代わり車がやってきます。

「今日はお客さんが切れないんですよ」となんだか不思議そうな顔をしているので、「今日は連休ですし、パ酒ポートのスタンプ集めの一環で訪れるお客さんが多いと思いますよ」というと、「あ、なるほどねえ」と感心していました。

「私もパ酒ポートに参加して初めてマオイにワイナリーがあると知りました。こちらはいつ頃からワイナリーを開いているのですか?」

 そう訊いてみると、「九年前ですね。自称日本一小さいワイナリー。でも後二、三年でやめますよ」とショックな答えが返ってきました」

「ええ?なぜですか。せっかく続いているのに」
「いや、私ももう八十になりましたが、ワインの作業は重労働で大変なんですよ。ワインの瓶一本は軽いけれど、これが24本入るケースだと30kgを越えるんです。それを人力で高く積み重ねるというのは実にしんどいです。だからあとせいぜい二、三年しかもたないでしょうねえ」

 ワインに"菜根荘"と書かれたラベルの瓶がありました。

「菜根荘というのは何ですか?」
「はは、これはすぐ目の前の私の家にそういう名前を付けただけです。隠居小屋のつもりでそう名付けたんですが、間違ってブドウを植えたらこんなことになっちゃった(笑)。でももうそろそろかなあと思っているんです」

 「どうです、あなたがやってみませんか?」と言われましたがさすがにそれは無理。せいぜい売っているワインを買い支えるくらいの貢献しかできません。
 今日はきりっと辛口(らしい:飲んでいないので)のナイアガラワインを買い求めました。


       ◆  


「そこの道をちょっと登っていくと展望台がありますので行ってみてください。今日はガスがかかっているのでだめですが、快晴の日だったら小樽から苫小牧まで石狩平野が一望できるんですよ」
   
 天気が良いときにまた来てみたくなりました。パ酒ポートも、ただスタンプを集めるだけではなくそこに息づく人たちの思いを聞くきっかけにすると、出会い旅としての趣がありますね。

 若い力を注いで、なんとか続けてほしいなあ。

【マオイワイナリー ホームページ】
  http://maoiwinery.com/
  

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帯広は札幌からの日帰り圏を実感する

2014-11-01 23:45:00 | Weblog

 酒蔵スタンプラリーの「パ酒ポート」ですが、まだ行っていないところが残り少なくなってきましたが、遠いところばかりが残ってしまい、気合を入れないとこのままでは全箇所制覇は難しい。

 遠いところでは池田町のワイン城と大沼の"はこだてわいん"が残ってしまっています。

 この三連休で少しこなしておこうと、今日は池田町へ日帰りで行くことにしました。ついでに釣りの用意もして、その周辺で釣りもできればという休日行程。

 かなりの強行ですが高速道路があればこわくない。標高の高いところでもまだ雪が降っていないようなのでおそらく今シーズンの夏タイヤで最後のロングドライブです。


       ◆  


 昼前に池田町のワイン城へ到着。前回来た記憶がないくらい久しぶりの訪問です。

 パ酒ポートのスタンプを押して、参加者割引でブドウ果汁サイダーの割引を受けました。

 スタンプを押すだけのつもりが、ワインの町の雰囲気を感じてついついワインを三本も購入。"ワイン城限定"の商品があって、「限定」という言葉には弱いですね。

 
       ◆   


 さてワイン城の後はもう少し足を延ばして豊頃町で十勝川周辺を探索。

 豊頃の知人に「この時期アメマスの釣れそうなポイントはありますか?」と訊いたところ「十勝川の下流部付近はいかがでしょう」」とアドバイスを受けて周辺を調査。

 川の近くまで行けそうなところを探して一時間ほどフライを沈めてみましたが、残念ながら反応はなし。

 釣果がなくて残念ではありますが十勝川の雰囲気を少しだけ味わいました。

 小雨が降るなか札幌まで車を走らせて夜に無事帰宅。本日一日で550kmを走りましたが、これを日帰りで往復できるのですから便利になったものです。

 帯広は札幌からの日帰り圏だという実感がわきました。 
 

 

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