尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

衆院選より総裁選の方が長かったテレビ

2021年10月29日 23時12分56秒 |  〃  (選挙)
 もう一回衆院選について。選挙を見ていて、段々僕はどの党が勝つかという問題よりも、日本の選挙制度を作り直さないといけないという気持ちが強くなってきた。以前から選挙制度や選挙運動などについて何度も書いてはいるが、それでもいつまでも書かないといけない。確かに町のあちこちにポスター掲示板はある。選挙の案内は送られてくるから、住民票の場所に住んでる人は選挙があることぐらいは知ってるだろう。でも、毎回入れる党が決まってる人はいいけれど、そうじゃない若い人なんかはどうすればいい? もちろん、調べる気があればスマホでマッチングアプリもあるけれど、選挙運動、あるいは選挙報道が日本には非常に少ないのである。

 そして「投票率が低い」と「自己責任」にしてしまう。僕は毎回そうなんだけど、候補者の演説にも行き会わないし、チラシも配ってない。選挙カーも一度聞こえてきただけだし、それも政策じゃなくて名前を連呼していた。選挙区の外れに住んでいるから、大体いつもそうである。そりゃあ、新聞を読んでるから候補者を知る機会はある。でも新聞を取ってない人はどうなるんだろう。選挙公報が配布されたのは28日だった。期日前投票が終わりそうな頃にやっと届いた。まあみんな読まないのかもしれないが。

 政見放送も多くの人は見てないと思う。昔(93年以前)は違った。多くの人が自分の選挙区は見てたと思う。今は政党中心になってしまい、一党の時間が長い。その最後の方で選挙区の候補を紹介しているけれど、その前は延々と党の紹介である。もちろん比例区の情報としてはそれでいい。でも小選挙区の方はこれでは困るのである。小選挙区ごとに出ている人を続けて見たいのである。そうじゃないと比較出来ないではないか。

 それに無所属候補には政見放送がない。これって、憲法違反ではないのだろうか。同じように立候補に際して供託金を納めているのに、法の下の平等に反するのではないか。無所属を含めて自分の小選挙区候補が続けて出て来れば、多くの人が自分のところだけは見ると思う。というか、インターネットで自分の選挙区の選挙公報と政見放送を24時間見られるように出来ないんだろうか。まずはそういう工夫が必要なんじゃないか。

 それにしても、今回はテレビでの選挙報道が少なすぎると思う。もちろん報じてはいる。でも31日は天皇賞だとか、ハロウィーンだとかいう方が印象的だ。朝日新聞29日の記事によると、衆院選より先に行われた自民党総裁選の報道の方が多いという。さすがにニュース番組では衆院選の方が多い。でも情報・ワイドショーなどでは圧倒的に少ないのである。これは何となくの印象と一致している。具体的に書けば、総裁選はワイドショーが14時間31分、ニュースが15時間24分の計29時間55分衆院選はワイドショーが8時間25分、ニュースが17時間52分、計25時間52分となっている。

 もっとも衆院選は途中経過だし、総裁選は結果報道も含まれているだろう。だけど、それだけではない。ワイドショーはこの間「小室眞子さん」に熱中してきた。郵政選挙の時の刺客騒動などに比べれば、今回の衆院選には皇族をしのぐ話題性がないんだろう。この日程は前から決まっていたから、僕は多分そうなる(テレビで衆院選が霞む)だろうと思ったし、それを見込んで投票日を決めたんだろうと思っている。それと同時に、現在は自民党がワイドショーも「監視」している。自民党有力候補が当落線上にある(と伝えられている)石原伸晃や平井卓也などを取り上げるには注意が必要だ。

 この間自民党内閣は二度と政権交代を起こさせないような脅迫的取り組みを構築してきた。安倍内閣以来の取り組みが成功して、今や選挙を扱うのは難しくなっているのか。もちろんNHKニュースなどでは各党首を追うみたいな報道はある。でも「世間が選挙で盛り上がる」ためには、ワイドショーなどでも沢山取り上げられる必要がある。テレビなんか見ないという若い世代も多いだろうが、高齢世代は違う。高齢世代は選挙に行くと言われるが、実は昔よりずっと投票率が下がっている。若者よりは行っているというだけのことだ。そうなると、今回の投票率が気になるところだが、果たしてどうなるんだろうか。
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