尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

2021年衆院選、投票率はどうなるか

2021年10月18日 21時11分46秒 |  〃  (選挙)
 2021年10月31日投開票の衆議院選挙が10月19日に公示される。10月1日にはまだ菅内閣だった。4日に岸田内閣が成立し、14日に解散って、どう考えても早すぎる。17日には神戸市川崎市の市長選が告示された。日本全体の未来を決める国政選挙より、政令指定都市の市長選の方が選挙期間が長いのである。どう考えてもおかしい。リクツとしては、「小選挙区」よりも「政令市」の方が面積が大きいから長い期間が必要というのだろう。だから全県で選ぶ参議院選挙は衆議院よりも選挙期間が長い。(参院=17日、衆院=12日)

 でも、衆議院は内閣総理大臣の指名で参院に優先するから「政権選択」選挙になる。選挙期間中はテレビやネットで党首討論などが行われる。見なくても決まってる人も多いだろうが、本来は政見放送選挙公報をじっくり見てから決めたいと人だっているはずだ。多くの人が休日になる日曜日が選挙期間中に一回しかない。こんなに国政選挙の期間が短くて良いのか。それで投票率が低いなどと批判されるわけだが、投票先をじっくり吟味する時間を与えないで批判するのはおかしい。

 さて、ともかく31日には衆議院選挙があるわけだが、投票率はどうなるのだろうか。今回は非常に読みにくい。急に早くなったといっても、任期満了を過ぎているんだから、この秋に衆院選があることは判っている。選挙には必ず行くという人は、大体決めているのかもしれない。しかし、この間長くコロナ禍が続いてきた。生活が大変で選挙に関心が持てない人もいるかもしれない。保守系や公明党などはきめ細かな集会を積み重ねて集票活動を行ってきた。しかし、この2年ほど夏祭りなどもほとんど中止され、名前を売る機会が少なかったはずだ。特に新人候補の場合など、影響がどう出るだろうか。

 世論調査ではどうなっているか。実は岸田内閣成立直後のため、内閣や政党の支持率調査が優先して、選挙への関心を問う調査が少ない。毎回「選挙に行くか」を聞いていた読売新聞も今回は聞いていない。ただし、「関心があるか」は聞いている。これは前回調査との比較が可能なので、まず見てみたいと思う。
(選挙への関心を問う調査結果)
 それによれば、4択の中で、「大いに関心がある」が29%。「多少は関心がある」が44%。合せて77%が関心を示している。「あまり関心がない」は20%、「全く関心がない」は7%、「答えない」が1%になっている。

 これは高いように見えて、実は前回よりもかなり低い。前回2017年の衆院選時の読売新聞調査は、選択肢が今回と同じである。その結果は「大いに関心がある」が43%。「多少は関心がある」が37%。合せて80%が関心を示している。「あまり関心がない」は14%、「全く関心がない」は5%、「答えない」が1%になっている。

 「大いに」「多少」を合計すると3%の減少になるが、「多いに関心がある」だけを見れば何と14%も減っている。2017年の実際の投票率は53,68%だった。つまり、「大いに関心がある」にプラスして、「多少」派の3人に1人ぐらいが選挙に行ったわけである。今回も同じ割合だと仮定すると、50%に達しないことになる。
(NHKの選挙に行くかどうかの調査)
 そこでNHKの世論調査を見てみる。こちらはネット上で前回調査を見つけられないので、比較が出来ない。今回の選挙に対して、「必ず行く」が56%、「行くつもりでいる」が29%、「行くかどうかわからない」が8%、「行かない」が5%という結果になっている。この種の調査で「行くつもり」は行かないことが判明している。「必ず行く」から少し減った数字が実際の投票率になると思われるので、投票率は5割程度という予測が出来る。

 なお、NHKでも関心があるかという調査をしていて、その結果は「非常にある」が28%、「ある程度ある」が49%、「あまりない」が16%、「まったくない」が4%になっている。これは誤差を考えると、読売調査とほぼ同じ傾向を示している。つまり、今回の選挙は「ある程度は関心はある」けれど、現時点では大いに盛り上がっているわけではないのである。それが何に原因するのかは判らない。何党であれ、大規模集会が出来ない状況が続いている。盛り上がるわけがないのも当然か。今後の選挙期間で、そこが変わっていくのかが今回の注目点である。与野党どちらにコロナ禍の影響が大きいのか、今は判断出来ない。
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