星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

やっぱアラゴルンでしょ。

2002-05-19 | 映画にまつわるあれこれ
 ようやく「指輪物語」見てきました。ここで散々翻訳がどうの、と文句も言いましたけど、映画は言うことナシです。よくぞこれだけ見事に映像化したと思います。俳優さんのネームバリューに頼ることも無く、ハリウッド物の計算をすることも無く、ただきちんと創ることだけに精力を傾けたのが素晴らしい!のひと言。「ファイナルファンタジームービー」だって、ああいう世界像やダンジョンの風景を創る事は当然可能だった筈なのに、海外進出を意識しすぎてエイリアン物に転化したのが敗因。

 カッコ良かったなあ、アラゴルン。。。で、思ったのですが、ラストの方で、アラゴルンが彼を(この辺は小説と映画と違うのでとりあえず内緒)抱き起こして涙する場面は、「アーサー王の死」でアーサーが騎士ガウェインを腕に抱き、ガウェインが最後の言葉をしたためる、というあのシーンなのですね。

 アーサー王、指輪物語、そしてしつこいけど魔術師の帝国と、そういうあたりはみんなつながってて、アラゴルンの父親の名前は「Arathorn」なんだね。アラゴルンはアーサーの後継者というわけですね。魔術師の帝国の王子の名も「アルサ」。

で、妖精族エルフは、魔術師ではエレデール族。アーサー王に謀反を起こすのはモルドレッドで、指輪物語の悪はモルドール軍、魔術師の帝国にはモレデール族がいるのです。。。こんな風につながってるからたくさん読むと頭がこんがらかるのです。

 ・・・アーサー王の中のエレーンはエルフだったのかな、とも思うのです。エルフと人間との時間は違いますからね、、、あ、でもこの空想はまたの機会に。やっぱりケイト・ブランシェットって王女様が似合いますね。あのエルフの耳が欲しいです、可愛らしくとんがった耳、欲しいです(笑)

鳥のさえずりから、恋の病いへ。

2001-12-16 | 映画にまつわるあれこれ
 冬になると何故だか部屋に黄色い花を飾りたくなります。クリスマスだから、といって別にライトアップなどするわけでもないけど、黄色は待ち人の色ですよね、幸せの黄色いリボン、幸せの黄色いハンカチ。。。

 先週買ったPULPが気に入って、おととい95年のものも見つけたので聴きました。好きな音ですけど昔から音楽は同時代的に聴きたいほうなのでやっぱり今の方が好きかな。

 この中の「the birds in your garden」という曲を聴いていたら好きだった映画を思い出しました。(午前6時、鳥たちが歌ってる・・・君は眠ってる、僕は君の庭へ出る、太陽は輝き、空気は冷たく、僕はそこで聴くんだ、君の庭で鳥たちがこの歌を歌い出すのを・・)っていう感じの歌詞です。

 映画の始まりはボルドーへ向かう列車の中、4人掛けの座席に見知らぬおばさんなどと一緒にナスターシャ・キンスキーとジャン・ユーグ・アングラードが乗り合わせていて、別にただそれだけで言葉を交わすこともなく、ただ何となくお互いの事が目に留まり、でも駅でふたりは別々の方向へ去って行きます。彼女の方はとあることから病院の教授の愛人となり、彼は偶然、教授の下で働く青年医師でした。・・物語はいいとして、ふたりは逃亡して仏の片田舎でひっそりと村の診療医として暮らすのですが、その家に、、、私は棲みたいな。。。ある休日の午後、ふたりは庭に並んで座り、鳥のさえずる梢を見上げ、木漏れ日に目を細めます。彼女は医師の眼鏡をはずして自分で掛け、「あなたの眼で見たいの」と言うのです。

 このシーンを思い出したのです。単純に、森よ、小鳥よ、と歌っているわけではない所に、紆余曲折を経てようやく平穏に辿り着いたこのワンシーンと勝手に共通するものを感じて・・映画は余り幸福には終らないですけど、いえ、彼女なりに幸福をずっとずっと求めつづけたのですね。淋しそうなナスターシャ・キンスキーの笑い顔が忘れられません。
原題は、MALADIE D'AMOURでした。

ダークサイドオブザムーンでした。

2001-11-22 | 映画にまつわるあれこれ
昨夜は少し時間があったので BS2の「クルーシブル」を見て、こめかみが痛くなるほど泣きました。作品は17世紀末、北米でじっさいにあった魔女裁判がテーマです。ピューリタンの潔癖さゆえの残酷さ、スーパーナチュラルな力への憧れと脆さ、人は公開処刑を前に狂喜できる集団でもあるのですね。ダニエル・デイ・ルイスは前から好きでしたが、「父の祈りを」でも「存在の耐えられない軽さ」でも人間の弱さと強さの間で葛藤する姿は、本当に凄い俳優さんだと思えます。そんな出演作の中で「エバースマイルニュージャージー」や「イングリッシュマンinニューヨーク」はめちゃくちゃに可笑しくて、どんなことでもやってのけるヘンさ加減は、カメレオン役者ジュード・ロウ、ジョニー・デップと並んで私は好きです。最新作はレオナルド・ディカプリオ君と共演とか・・・できたら単独主演がいいな。 

人生楽しいことばかりじゃ無いのは当たり前で、ちょっと昨夜は(今朝か)4時まで眠れませんでしたが、立ち止まって、後ろ見て、ずーっとそうしていても仕方がないんで、で、やっぱりまた歩かなきゃいけないんですよね、誰しも。ちょっと胸が痛い。。。