星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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エレガントなダリ。ワイルドなクールベ。

2003-01-13 | アートにまつわるあれこれ
 ダリの絵は全てが「告白」みたいに思えます。ダリは本当のことは何ひとつ語らなかったかもしれないけれど、嘘はひとつも描かなかった、というような気がするのです。だから彼の絵が内在するものを信じられると思うんですよね。どんなにエロティックなもの、ショッキングなものを描いても、エレガントであることに魅了されます。私は女性だから、ダリにとってのガラ、という存在にも惹かれますが。

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 絵の話で思い出しました。暮れに出かけたギュスターブ・クールベ展のこと、そのままになっていましたね。クールベは日本ではそんなに語られることは多くないでしょう。国立西洋美術館に「波」の絵、山梨県立美術館に「鹿」の絵、などがあります。非常に男性的な画風で、今回のテーマも「狩人としての画家」ですものね。リアリスト、クールベは理想化された女性像を描かなかったためにナポレオン3世は彼の絵を鞭で打ったとか。それでもひるまない自信家、革命家。

「醜い」と酷評される女性を描きつつ(でも醜くないと思うんだけど)、なんと自画像は極めてナルシスティックな表情を描くのです(笑)たしかに若き日のクールベはハンサムでしたが。。そんなところにも自信家で、ハンターの眼を持つ姿勢があらわれていますね。今回の会場にクールベのすごい言葉が提示されていました。「ひとりの女はすべての男のためにあり、すべての女はひとりの男のためにある」でしたっけ? これには一緒に行った女性友達と苦笑。どこかのフェミニズム議員さんなどがお読みになったら大変な剣幕で非難されることでしょう。

 でも、レマン湖のほとりにあるシヨン城を描いたものは、本当に美しいものでした。今年は関西方面へも巡回のようです。