星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

1947年

2003-01-16 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
 試験が近づくにつれて強烈に本が読みたくなる。しかも学科と全く関係ない本。。この病気はなんとかしないとね。

ゆうべ読んだ『On The Road』中、大西部をめざしてヒッチハイクを始めた25歳のケルアックが「1947年のその頃は、ビーバップがアメリカ中に大流行していた」と書いているのを見て、その同じ時、22歳のヴィアンはパリでそのビーバップに踊り狂っていたんだと思うと地球のあっちとこっちが一遍に見えてドキドキしてしまった。ケルアック=サル・パラダイスに滅茶苦茶なディーン・モリアーティがいた様に、ヴィアンには片目の少佐がいて・・十九歳の知識で読んだ時には見えなかった風景が見えたりするから面白い。

 郵便を出しに行く途中でちらっと覗いたBOOK OFFで、ポーとアーウィン・ショーとイアン・マキューアンを100円で買う。パリに25年住んだショーのスケッチ。仕事前、カフェで15分だけ読んだ。ショーは窓越しに通りを歩く人々から人生と時代を切り取ってくるのがとても上手な作家だ。ショーも50年代のパリに暮らした。サンジェルマン=デ=プレ界隈にはこの上なく薄汚れたカフェがあり・・・と書くショーは決してその薄汚れた内側へは立ち寄らない。あくまで切り取ってくるだけ。その鮮やかな切り取り方と、時代をとらえる敏感さが好きだったけれど、「この上なく薄汚れた」服を着て、車の荷台に飛び乗ってとんでもないことをやらかして廻るビートニクから眼を転じたら、どこかはぐらかされたような気になった。

 でもでもテキストを読まなくちゃ。。