星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

Why don't you come to your senses...なんてもう言わないよ。

2003-02-08 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
 ケルアック、ギンズバーグ、バロウズの3人で誰が一番好きかといったら、やっぱりケルアックになってしまうだろうな。ケルアックはさんざん仲間と馬鹿をやってクレイジーな日々を過ごした後で、かならずマサチューセッツの家へ帰る。そして独りでその膨大な記憶をロマンティックな物語に編集する。すごく淋しがり屋で、たった独りで机に向かいながら人恋しくてたまらなくなっているケルアックの姿が見える。路上の日々の喧騒とノスタルジックな想いのごちゃごちゃが、永遠に胸をうつんだけど・・ね。

 ケルアックはアーティストにはなれなかった。変貌していく世界とどんどん向き合っていったギンズバーグとも、本物の強靭な狂人だったバロウズともちがった。昔むかしのことだけど、放浪者に恋をして「あなたは通り過ぎてきた街で出会った人のことを、懐かしく思い出すことなんてないのでしょ」となじったことがあった・・かな?私も・・(笑)

 ルーリードも、ずっとワイルドサイドを歩き続けてきた詩人だと思うけど、先へ先へ、と進んでいけるタフネスがある。最近の日本のインタビューで、インタビュアーのキミが言いくるめられてどーすんのよ、と笑っちゃうようなのがあって、、、。でも、ルーの作品にも、本当はケルアックと同じ人恋しさも優しさもあるところが私は好きなんだけど、それでいてアーティストは笑みを浮かべながら残酷な変身をするものですよね。それでいいんだと思う。