星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

今夜、タイムズスクエアで。。

2003-02-14 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
   生活の内側はすべて、終りもなく始まりもなくむなしかった。
   無知の悲しい表われだった。
   「さよなら、さよなら」ディーンは長い夕焼けの中を歩いて行った。
   機関車が、彼の頭上を煙を吐きながら動いて行った。
   彼の影は彼の後を追った。影は、彼の歩みを、彼の考えを、
   彼の存在そのものを真似ていた。彼はふりむいて、恥ずかしそうに、
   照れくさそうに手を振った・・・
         『路上』(ジャック・ケルアック 福田実 訳)

 アメリカという国の距離感、地理感をかんじるのに、『路上』にまさる小説はない。それにしたって、、、男同士の別れがどうしてこんなにセンチメンタルなんだ。。男の子たちときたら、いつまでたっても中学生と変わらなくって、男がいちばん愛しているのはやっぱり男なんだ。『路上』の女はいつだってホテルやボロ家に置き去りにされるだけで、、、

 十年前くらいの雑誌に、ディーンを演じるなら絶対マット・ディロンだろう、と書いてあったけど、もう今では遅いかな。今なら誰かいるんだろうか・・一刻でも彼を止めたら死んでしまうんじゃないかって、めちゃくちゃなヤツ。

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 Lou Reedのサイトで深い意味もなくアドレスを残してきたら、メールが来るようになった(笑)それも差出人がfan clubとかofficeとかじゃなくてLOU REEDで来るので、なんだか嬉しい。「NYのタイムズスクエアで今日、インストアLIVEをやるから来い」(行けないよ)とか、「今夜は起きててTVを観ろ」とか結構マメ。地球は狭くなったなあ、と思いつつ、でもやっぱ地球は広いよなあ、と。。