星のひとかけ

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Closed on Account of Rabies : Ulalume

2009-10-27 | 文学にまつわるあれこれ(鴉の破れ窓)
しばらく前から 街の中にハロウィングッズが見かけられるようになりましたが、、 その季節が近づくと私が思い浮かべるのは、、 (あぁ、、またポーが詠った万聖節がやってくるなぁ)、、ということ。 しばらく、 詩作品について書いてなかったので、 この季節にちょっと書いてみます。

Closed on Account of Rabies:
  Poems and Tales of Edgar Allan Poe (1997年 Amazon.com>>)

このアルバムを苦労して探したのはもうだいぶ前で、 そのことを書いた日記も昔のBBSで このBlogには載せてなかったですね。

エドガ・アラン・ポーが詠った万聖節、、 というのは、 ↑の中で ジェフ・バックリィがポエトリーリーディングをしている「Ulalume」という詩のこと。 詩の中で、 「私」が森の中へはいって行くのは  "lonesome October" の夜、としか書かれていませんが、 「私」は 自分の魂である「Ulalume」という女性について、、 去年のまさに同じ晩に 同じ場所をともに歩いたことを思い返し、、 そして、 その「Ulalume」は すでにこの世の存在ではなかったことを思い出す、 (つまり この晩「私」が彷徨っていたのは「Ulalume」の墓所だった) という内容から、 死者のよみがえる晩、 つまりハロウィンの夜の出来事、、 と考えられます。

アルバムのノートには、 97年2月13日の晩にジェフ・バックリィのリーディングを録音したと書かれており、 アレン・ギンズバーグが朗読の指導をした、とも書かれています。 ギンズバーグは、この年の4月5日に亡くなり、、 ジェフは5月29日にミシシッピ川で行方不明になりました。(Wiki>>) 

このアルバムの ジェフの朗読が、 余りに美しいというか、、「Ulalume」をこれ以上に朗読出来る人はいないのでは、、と思ってしまうほどで、、 ポーの詩と 「Ulalume」の詩と、ジェフの死と、、 神さまの為さることの不可思議さを感じずにはいられないのですが、、、

でも。 良い時代になりましたね、、 この素晴らしい朗読が youtube で聴けるのですものね、、、 いろんなオリジナル映像を載せたものがあるみたいですが、、 詩の内容にわりと合っているものを選んでみました(最初、眼がちかちかするのを我慢してください、、)

POE'S ULALUME (reading: Jeff Buckley)
http://www.youtube.com/watch?v=VesUJqm5rss 
ギターは、 Chris Speddingさんです。

詩をご覧になりたかったら、 poe と、ulalume で検索すればいくつか詩のサイトが出てきます。

 ***

以前に、、 ポーを好んでいた萩原朔太郎が、 この詩にインスパイアされた「沼澤地方」という詩で 「ULA」という女性をうたっている、、、ということを書きました(>>) その女性もまた、 今は亡き人。。 

、、、さて、直接 関係ないですけど、、 ↑の日記で書いてる ボブ・ディランの「Series of Dreams」という曲も、 youtubeの bobdylanTVで観れます。 久しぶりに観ました。

Bob Dylan - Series Of Dreams
http://www.youtube.com/watch?v=H-gamWTze6g

曲はほんとうに U2みたいだけど、、(笑)、、 過去からのディランのコラージュを見ていると、、 ディランて、 やっぱり格好好いわ。