星のひとかけ

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5 Album Box Set / Gary Numan

2015-12-17 | MUSICにまつわるあれこれ


10月以降、すっかり ゲイリー・ニューマンさんの話題が多くなってしまいました。 それだけ、 ゲイリーさんの2013年作 「Splinter (Songs From A Broken Mind)」と、ライヴ映像のインパクトが強かった、ということでしょう。。

3夜連続再現ライヴでやった名盤、 Replicas、Pleasure Principle、Telekon 3部作を買い直そうかとも思ったのですが、、 レコードで聴いていたものたちだし、 むしろ Splinter 直前の2000年代の作品にしようかとか、 いろいろ迷った結果、 こんな素晴らしい BOXセットがあるのを知りました。

これは 2013年の「Splinter」発売を前に出されたのですね。 ゲイリーさん再評価の流れの中で出されたのでしょう。 内容は、、

1981年の Wembley Arenaでのフェアウェルライヴを収めたものが2枚。 このライブで、ゲイリーさんはライヴ活動から一旦リタイアすることになったのですね、、 まだ23歳くらいの時です。

そして同じ81年のスタジオ作品の 「Dance」 
これにはJAPANのミック・カーンがベースで参加していて、 独特のうねうねしたベースを5曲で弾いています. 低音のフレットレスベースでちょっと不安定な うにょ~~~ん、という感じでメロディを奏で(ミックの場合リズム隊という役割ではなく、 歌の旋律を支えるオブリガード的な役割なのですよね)、、 そこにゲイリーさんの(まだ若い、というか棘の残っている若者の声質の) あの宇宙的なハイトーンが重なる、、 この組み合わせは見事です。 本音は、このミック・カーンが聴きたくて、それでこのBOXセットにした、、のであります。
音的には ヨーロピアンなアンビエントな感じ。 やはり後期JAPANに近い感じかな。

82年作品の 「I Assassin」 
ここでのベースは ピノ・パラディーノ。 私、ピノのベースが本来どういうタイプなのかよく知らないのですが、 ここではまさに前作のミックの流れか、 ミック似のフレットレスベースの音色も聴かれます。
サウンドは、 Danceよりも むしろこちらの方がダンサブルな曲もあり、 チョッパーベース&フレットレスの低音のビート(スカに近い裏打ちのとか)に加え、 パーカッションや サックスが加わったりする辺り、 より80年代的かな。。 と思えば、 浮遊感たっぷりのシンセで、 現在のエレクトロニカに繋がる感じも。 

83年作品の 「Warriors」
この金髪&マッドマックス風な衣装はなに…?(笑) でも音はジャケの印象ではなく、 もっと80年代ぽい。。 
サウンドはさらに チョッパーベースやドラムスが強調されて、 サックスのインプロヴィゼーションが絡んだりして、、 もはやテクノの世界ではありませんね。 ソウル、フュージョン系に近いかも。。 サックス率とっても高いです。。 ボウイの「レッツ・ダンス」も83年ですものね、、 そういうダンサブル、ファンクぽさが象徴的なのは、やっぱり時代なんだな。。。

詳しい曲名などは、 Amazon.com で>>

この5枚組、、 初期三部作の名曲の数々はライヴで聴けるし、 その後の3作品で80年代のゲイリーさんのサウンドの変遷を知ることが出来るし、 素晴らしいセットだわ。 
スタジオ盤の三作品は、 たぶん当時には、 MTV系の華やかさやちゃらちゃらしたダンスビートと比べたらすごくマイナーな印象しか残さなかったのかもしれませんが、 そういう(流行りの)ポップさが無いぶん、 今聴いていても古さやチープさは感じないし、、 だから 今のゲイリーさんのライヴに、 過去のどの時期の曲を混ぜ合わせても、 全然違和感が無いのですよね。。

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ゲイリーさん、 ただいま新アルバム製作中です。 Pledge で資金調達を募っていたのですが、 公開数時間であっという間に資金が集まってしまって、、 その日 ちょうど見てましたが、 その速いこと! それだけゲイリーさんの音楽、 今まさにタイムリーに待たれている音なのですね。

で、、 前に書いたように、 ゲイリーさんのライヴ映像などを見て、 本当に若々しいし、 昔のレプリカントな風貌と比べて、 すごく自然でチャーミングで、 大人の男としてカッコいい人なので、 見るたびに素敵だなぁ、、と惚れ惚れなのです。 かつての印象には 「カッコいい」という形容詞ってまず出てこない人でしたよね。。 でも今 なんてカッコいいんだろう、、って。 PledgeMusicに載っている アップデート動画(スタジオ作業中の)など、 ほんと素敵なんだから、、↓

http://www.pledgemusic.com/projects/garynuman


2013年の Splinter発売の時の タワレコさんのコラムがありました。 とっても解り易かったので リンクしておきます
http://tower.jp/article/series/2013/10/10/b1223-kubo

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さっき気づいたのですが、 ゲイリーさん、 ポール・ウェラー兄貴と同い年、 2ヶ月しか違わないんですよね、 若いわけだ。。 お互いデビューが17歳くらいで、 十代のうちに名声を確立するようなサウンドを創り上げてしまって、、 その自分の立ち居地を23歳くらいで一旦破壊してしまうというような変遷も、 似ていたのですね。 二人とも音楽的には断トツのアンテナを持っていた(いる)人たちですね。

二人とも57歳。 今なおめちゃくちゃ「カッコいい」男、、という点でも同じかも。。 少し前に、 兄貴のスタジオライブをちらっと見ましたが、、 「ドルフ・ラングレン?」かと思うような(笑) ますます渋い風貌に兄貴はなっていて、、 で、、 DJさんのお喋りに (ごちゃごちゃ喋るよりさっさと弾かせろよ)みたいな仏頂面をしてたのが可笑しくて、、
、、まだ冒頭の数分しか見れてないので ここに残しておこう、、↓

Paul Weller - Full Performance (Live on KEXP) >>

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ゲイリーさんの来年の新譜、、 楽しみです。 どんなミュージシャンが参加するのかも、 とっても楽しみ、、 だから あんまりプレッジにUPされる音は聴かないでおこう、、

ゲイリーさんの最大の武器、、 それはもちろんあの「声」。 若いときよりもむしろ今の方が深みも増して、、 しかもまだあの宇宙的なハイトーンも衰えていないから、 ライヴも見てみたいなぁ。。 サマソニとかにもしいらしたら、、 声も歌もカッコいいし、 シューゲイズ、エレクトロニカ、メタル、、 どの層にも結構ウケると思うなぁ。。。

今年の音の最大のめぐり逢いは ゲイリー・ニューマンさん、でした。(新譜じゃないけどね、、)

、、今年買った新譜の話は、、 はたして年内にできるんでしょうか、、 笑