星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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今年買ったアルバム… 結局

2015-12-24 | MUSICにまつわるあれこれ
先日書きました 「今年は新譜をほとんど買っていない」という話(>>)、、 最終的に 2枚増えて、結局5枚になりました! (今年以外の発売のと邦楽は除きます)

、、身体的理由もありますが、 音楽は家でスピーカーから聴きたい派なので、 買おうと思うCDは そうやって聴きたいなぁ、、と思ったアルバムなのです。 CDで売られない事も増え、いずれ全部ダウンロードとかストリーミングになるのかなぁ、、と思ったりするけど、、 それでもスピーカーで聴くのは変わらないだろうな。。

では 買った順に 今年のアルバム、、



Landscape Dream / Abram Shook
このアルバムは前に一度書きましたね、「ホットチップのアレクシスとダーニ・ハリスン」加えて山下達郎さん、、て。。 アルバムはこちらで聴けます
https://abramshook.bandcamp.com/

なんともか細いハイトーン。 でも曲づくりはほんと多彩で多才。 心地良いシティポップもあればレゲエもあり、 Find Itという曲などめくるめくサイケなアップビートから、次の夢見心地のスローな曲へと、、 巧いです。

テキサス・オースティンの人で、前にも書いたディープなサイケデリックバンド The Bright Light Social Hour(こちらでライヴも聴けます>>)と一緒に先日ライヴしてました(映像探したけどみつからず…)。 

Abram Shookさん、 これまでも Shearwater のツアーメンバーとして ベースを弾いてたんだそうです。 Shearwater は、来1月に新譜「Jet Plane and Oxbow」が出ますね。 Voがすごく特徴的な声の人ですよね、「Quiet Americans」が公開されてます(>>) この Shearwaterの新譜でもベースで参加してるようです。 (曲のタイプは両者だいぶ違いますけどね)


Cool It / Sam Cohen
サム・コーエンさんは、 Apollo Sunshine や Yellowbirds のメンバーだったそうですが、どちらも知りません。 Paste Magazine のストリーミングで知りました(>>

、、で その後知ったところによると、Joseph Arthur さんの2013年作品 Ballad of Boogie Christ でギターを弾いています。 このアルバムについては前に書きましたね(>>

ほとんどの楽器を自分で弾くマルチプレイヤーですが、何といってもギターが良い! 良いていうか ヘン!!(笑) 変て言うかツボ! 歌声はカート・ヴァイル君のようなけだるい感じ、 サウンドはどちらかと言うとサイケデリック… と言うと最近は皆サイケデリックになってしまうんですが、、地味なサイケデリック(笑) 歌詞も抽象的でなんかよくわからないけど…(ジャケに印刷されてるのは嬉しい) 
、、自分にしかわからない例えになってしまいますが、、吉井さんがアルバムの中でメインの曲以外に作る変な曲の味にすごく近い(←意味わからずスミマセン) 、、でもサウンドはちゃんと聴くと良いですよ~ ほんとギターの音が多彩。

、、サム・コーエンさんは 最後のアルバムにも続きます。


Aquaria / Boots
もっぱら Beyoncé や FKA twigs のプロデューサーとして紹介されている、 Boots こと、Jordan Asher ですが、、 その紹介では殆ど役に立たないような気がします。。 (とは言え私、ビヨンセとか余り知らないし)

Boots のサウンドは オフィシャルyoutube にリンクしておきましょうかね(>>
、、今回のフルアルバムの前に、 デジタルEPとして Motorcycle Jesus というのがあって、 それを聴いたのが最初かな?
https://soundcloud.com/boots
これを気に入って、 それで秋にフルアルバムが出るというのを楽しみにしていたのです。

気に入った理由は、サウンドの世界観(のダークさ)。 歌っている内容とかはよくわからなかったけれど、 なんだろう、、 R&Bに分類されるサウンドでありながら、世紀末的というか、今は世紀末ではないから、 終末観、のようなもの? それがとても「今」と「自分」が聴きたい音楽に近かった。(CDには歌詞があります、それを読んだ印象も結局同じだった)
ゲイリー・ニューマンさんのところで書いた ・・・「すべては人間の傷から学んだもの… それを信じる」という言葉と同列にあるものか否か(>>) ・・・ という予感は当たっていたのですね。

この「暗さ」は、 どのレビューでも言われているみたいで、、 どこで読んだか今探せないんだけど、 「マッド・マックスや コーマック・マッカーシーの世界」をあげていて、 なるほどな、、と思いましたが、、特にマッカーシーの 例えば『ザ・ロード』のような終末観は強く感じます。 でも、、美しいの。

実際、 マッド・マックスやザ・ロードの世界はもはや現実でしょう? 人間としての対話が通じない一部の狂信者が町を支配して、 人々は逃れようとひたすら歩く、、 映画や小説と違うのは、 映画とかではその荒廃が地球規模の終末の世界のように思ってたけど、、 現実がもっと怖ろしいのは、 現実ではその世界の一方には何も困っていない日常を生きてる世界があって、 TVを通じてそのマッドマックス的世界を(怖ろしいね、大変だね)と手をこまねいて見つめてる。。。

Boots に話を戻せば、 そういう対極の世界観は彼自身にもとづいていたのだと、、 最近になって知りました。 このnprのインタビューが詳しいかな、、(>>) ホームレスも経験して、 どうしてビヨンセのプロデューサーになるという成功へ辿り着いたか、、って。。 その過去ばかりに注目するのは意味無いけど、ね。


Fast Forward / Joe Jackson
買いたい新譜が無い… とネットを彷徨っていたのは無駄ではなかったようです。 このジョー・ジャクソンさんのアルバムを見つけたから。 新譜出たの、知らなかったのです。 でも知ってても、音聴かなければスルーしてたかも。。

だって、ジョー・ジャクソンさんとか、 ドナルド・フェイゲンとか、 プリファブ・スプラウトとか、、 大抵良いに決まってるんですもの。。 全作品追ってきたわけではないけど、かなりの作品を聴いてきたこの方たち、、 焦って聴く事もないか… と思ってしまふ、、

でも! 今回のジョー・ジャクソンさん、 なんと Television の See No Evil (Marquee Moon に入ってる曲)をやっているというではないですか! しかも演奏してるのが ジャズ畠の方々で、 Bill Frisell に、Brian Blade ですよ。 慌てて試聴探しました。 See No Evil聴くまでも無く、1曲目の最初のワンフレーズで、、「反則!」って言ってしまいました、 このジョー・ジャクソン節 もう無敵。

さらに、 今回のアルバムは、 NY、アムステルダム、ベルリン、ニューオーリンズの4つの都市で、 4曲ずつ ミュージシャンもその都市のミュージシャンをそれぞれ使って、、というコンセプト。 それも気になりました(メンバーなどは wikiで>>) 試聴はオフィシャル試聴youtubeで>>

、、だいたい テレヴィジョンのカヴァーって殆ど無いんです。 前に書いたボウイの「Kingdom Come」はトムのソロだし。。 そもそもトムの強烈な個性と、 何も足せない引けないテレヴィジョンサウンドに手を出す人は勇気いるでしょう。。 でも、このジョー・ジャクソンさんの「See No Evil」 絶品! ジョー・ジャクソンさんのヴォーカルの強さ 驚きです。 で、ビル・フリゼールさんがトムを弾き(!)、、ブライアン・ブレイドさんの手数の多いジャズドラムスが 圧巻 驚愕。。

、、長くなるので 他の都市の音も聴いていただくとして、、 ジョー・ジャクソンさんて こんなに叩きつけるように歌う人でしたっけ? そりゃ70年代の歌声はわりとパンクでしたけど、 今61歳というのが信じられない歌声。

、、でもね、、 その無敵のサウンドと歌声に嬉しくなって聴いていたけど、、 内容は… とてもシビアなものだったのです。。 
Fast Forward は、オーディオとかの早送りのこと。 ジャケのマークがそうでしょう? でもその中には 荒地で行き倒れになっている男(よく見ると分裂した絵の右側では、かすかに手を伸ばしてる…)

上の BOOTS の終末観にも通じる世界。。 冒頭のタイトル曲で繰り返されるのは、 〔the Age of Gold or the Age of Sin には戻れない、 自分がいる時代を理解するまでFast Forwardする] 、、 そして 世界をめぐりながら、「自分のいる時代」を思索するんです。

歌詞の理解不足であやふやな事は言えないから、 ご自身で確かめて下さいな。まだ日本盤は出てないみたい、、。 ジョー・ジャクソンさんの思索には苦悩も感じられるような気がします、、 だけど、 ニューオーリンズでの最後の曲のどこか祝祭感。。 かすかに手を伸ばしているジャケの男に、私たちはまだ希望を見出していいの…? 

傑作です。


30th Century Records Compilation Volume 1

最後はつい昨日届いた デンジャー・マウスが設立した新レーベルのコンピレーション。 

説明はめんどうだから Sonyのサイト見てみて(>>) 試聴は レーベルのyoutubeへ(>>

上で書いた BOOTS が、 Autolux をプロデュースしていて、 シンプルに美しく始まり、次第にウォールサウンドのようになっていって、 わざとドラムスを逆回しテープみたいにぶつ切りな感じにする… という面白さが味わえます。 
デンジャー・マウスは 上で書いた Sam Cohen を共同プロデュースしてます。 ライナーに紹介文が載ってるんだけど、 ジョン・レノン+ニール・ヤング? 確かにここでのサム・コーエンさんの声はジョンに似てる。。 それをかなりのシンセサウンドに。。 

さらに、Sam Cohenさんは、 Nine Pound Shadow のところで ふわふわの泡みたいな変なギターソロを弾いてます。。 やはり彼のギターはヘンでユニーク。

一番人気なのは、きっと Dan Auerbach のサイドプロジェクト、 The Arcs でしょうね。(…私は 好きなんだけどちょっとアクが強すぎる…かな)

まぁ、 mojoマガジンについてるおまけCDのような感じで、 デンジャー・マウスセレクト盤、、 みたいな感じですが、 Stephen Marcussen の全編マスタリングだし(音とても良いです)、 買って損は無かったかな。。 

 ***

今年前半は、身辺がしんどかったせいもあって、 音楽を聴く余裕もあまり無く、昨年買ったベックとホージアに慰めてもらうのが精一杯。。

でも、、 結局 自分好みの良いアルバムが見つけられたじゃないか、、 と自己満足。。 来年は… もっとずっと 過激な人たちが発売を控えてるぞ~~(笑 

ありがとう 音楽。 来年も よろしくね。


、、イヴに私はなにをしているのだろう、、、

あなたが幸せでありますように。。