星のひとかけ

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祭りだわっしょい!…からの…:サマーミューザ東京交響楽団 オープニングコンサート

2024-07-29 | LIVEにまつわるあれこれ
パリ五輪開幕とともに、 川崎ではフェスタサマーミューザの開幕です♪

ミューザに行かなくてはならないから、 深夜2時からの開会式を観るのを..どうしようか 迷いましたが、 やっぱり観たい! 10時過ぎに寝て2時に目覚まし、、 でも結局 朝までずっと開会式を見てしまいました。

 ***



東響さん&ノットさんによるオープニングファンファーレは ミューザのサイトで見られます
 https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/

昨年はTシャツ姿でしたが 今年は大バッハさんと同じ真っ赤な法被姿。。 ノット監督もとっても似合っててみなさん素敵。

今年のチャイコフスキーは、 2番と6番。 特に2番はまず演奏されることの無い〈初稿版〉だということに気づいたのは、会場でプログラムを手にしてからでした。 プログラムと曲目解説はサマーミューザのコンサートページにリンクがあります。
 https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=3843

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2024
東京交響楽団 オープニングコンサート

チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 op.17『ウクライナ(小ロシア)』(1872年初稿版)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op. 74『悲愴』

指揮 ジョナサン・ノット


 (いつものようにクラシック素人の感想です。ご容赦くださいね)

今日の公演は満員御礼とあって、 会場はなんだかいつも以上の熱気に満ちていました。 
第2番(改訂版のほうですが)は予習の印象では(夏!)(明るい)(なんだか元気)、、という印象で、 だからプログラム解説にあったノット監督の言葉「よりクレイジー」な初稿版、というのがどんなことになるのかとっても楽しみに、、

そして、 ホルンによるウクライナ民謡の旋律から第一楽章が始まって、、 その第一楽章の途中から、、吃驚。 改訂版とは別物のすっごい演奏になりました。 (なんだか元気)どころではない、クライマックスの怒涛の盛り上がりかと思うようなエネルギッシュな演奏になって、、 ノットさんも身を前のめりにしてお顔を紅潮させてぶんぶん指揮なさってる… (あらら、ほんとにクレイジーなんだ…)

めったに爆音を出さないノット監督の東響さんには珍しいくらいの音、、だったけれど それぞれの楽器の音色はちゃんと響いていて、決して爆音のように混沌とはしないところがやっぱり東響さんは好きです。
つづく第二、第三楽章では フルート、ピッコロさんや、金管さんら、それぞれに前へ出る音色がどれもキラキラ元気で、 ここではやっぱり(夏)を感じました。 ウクライナの夏。 チャイコフスキーが妹のいるウクライナを夏に訪れた時に聴いたウクライナ民謡などが この交響曲のもとになっているそうですが、 きっとウクライナの夏は美しいでしょう。。 夏祭りとか人々の集まりもきっと賑やかだったでしょう、、 そんな事を感じる曲。

そして極めつけの第四楽章(かえるの大合唱)、、 というのは私の勝手な音印象ですけど、 日本の「かえるの合唱」と同じフレーズは、 ウクライナ民謡の「鶴」という曲だそうですが、 この可愛らしいフレーズがノットさんの初稿版2番では、 すごい速度であちらとこちらの楽器が競い合うように輪唱する、、その大パノラマが延々と。。 ここを聴きながら(やっぱり夏のカエルの大合唱にしか聞こえない…)と思っておりました。 すさまじくクレイジー(笑) 、、すごく勝手な想像を逞しくして…(日本に冬に来る鶴は、夏の間は北にいるのでしょう? きっとウクライナの鶴さん達は夏になるとウクライナでカエルをばくばく啄んでいるに違いない…)と、、休憩中にお友だちと語り合ってしまいました(どうぞお許しを…)

ものすごくエネルギッシュで新鮮で楽しく激しいチャイコ2初稿版、でした。

 ***

休憩後の交響曲第6番「悲愴」。 こちらも今まで聴いた感じとは違った「悲愴」でした。

どこがどう、、とはうまく言えないのですが、 聴きながら思っていたのは (もしかしたら多くの指揮者さんの6番は、「悲愴」というひとつの世界を創り上げようとしているものを聴いているのかな…)と。。 私もチャイコフスキーが大好きだし、6番の胸に迫って来る美しい旋律を何度もうっとりとして聴いたものだけれど、、

なんだかノットさんの6番は、 全体の統一感とか、 ひとつの「悲愴」という曲のイメージとか、そういう全体像よりも、 その楽章、その楽譜、によってノットさんが考えたこと、 表現したいもの、 それを実現してみたい…という場になっていたような そんな気がします。 そういうところがノット監督の好きな部分だし、 それが驚きやわくわくに繋がるから聞き逃せないのですけど、、

前半の2番で、 若々しくエネルギッシュな音を出しまくった余韻が残っているのか、 管パートさんとか つい華やかに奏でそうになるのをノットさんが(抑えて抑えて)と合図するところがたくさん見られました。 そんなノットさんの左手の細やかな指示がうねりまくっていましたね、、 たくさんの想いを込めるように。。

ティンパニさんシンバルさんの絶妙なタイミングも(いつもながら)見事でした。 コントラバスさんの低音部もとてもとても効果的で、 とりわけ最終楽章のしずかな悲しみを支えているこの両方の楽器に心打たれました。

決して「悲愴」ばかりではない 躍動的でもあり、 優美でもあり、 情熱的でもある、、 きっとそれらすべてチャイコフスキーの音楽の持つ三大要素みたいなものだし、 人の人生、 ひとびとの生のなかの醍醐味だと思う、、 そのような時期を経て 最終楽章の「人生」の終わりへと向かう、、 決して悲愴じゃない、、 そんな印象と同時に、、

前半の2番のウクライナの夏のかがやきと合わせて聴いた場合には、 やはりどうしても現在の世界の悲しみも重ね合わせてしまう… しずかに鎮かに奏でられる最終楽章は 痛切な「祈り」のような楽章に感じられました。

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そんなエネルギー溢れるサマーミューザの開幕。。 そして史上最強の「暑さ」!!

オリンピックの舞台では、 熱さも涙も 輝かしく美しいもの、、 と思います
でも、 この地球上の猛烈な暑さや、 あってはならない涙は、、 なんとかならないものでしょうか…

開会式でパリ大会の会長さんが繰り返し繰り返しとなえておられた 「愛」… (開会式フィナーレの愛の賛歌につなげる意味も込められていたかもしれませんが)、、 世界への「愛」が …もっと もっと 必要なんだと思います。。 争いの惨禍などではなくて…



もうすぐ8月。  祈りの月、ですね…




愛と 平和と 音楽を・・・




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