prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「スタンドアップ」

2006年02月07日 | 映画
女性監督、それから非アメリカ人(ニュージーランド)ということもあってか、アメリカの旧弊なマッチョ的体質を見る目がカラい。

若干セクハラをする男たちの描き方が平板に思えた。まあ、女と見ればヤる対象としか思っていない男に深みなどあるわけもないが、嫌がらせをする裏側に女が自分たちのものと思っていた世界に入ってくる恐れや、村八分にされたくない感情(アメリカにもあるのね)など、当人たちも気づいていない部分の描きようはあると思う。
ウディ・ハレルソンとショーン・ビーン扮する中では「まとも」な男は、両方とも一度挫折した体験があるという共通点がある。
父親や高校時代のボーイフレンドなど途中で心変わりするキャラクターの描きこみがやや薄い。割とあっさり変わるのね。ドラマとすると変わるキャラクターの方が面白いのだが。
ドラマの視点がややヒロインにつきすぎている感じ。役者はみんなうまいが。

シャーリーズ・セロンとウディ・ハレルソンと二人、親が人を殺している役者が並んでいるというのは、考えてみるとちょっとすごい光景。
冬の鉱山の寒々として荒涼とした風景のリアルな捉え方が見事(撮影 クリス・メンジェス)。
(☆☆☆★)

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シャーリーズ・セロンはこのあと日本では3月11日公開の「イーオン・フラックス」に出演。
一転した娯楽作で、こういう方が本来の美貌が楽しめそう。