prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「力道山」

2006年02月22日 | 映画
「日本に来てから笑ったことがない」というのが一つの決め台詞になっていて、実際力道山役のソル・ギョングはほとんど笑顔を見せないが、力道山というと男っぽい愛嬌のある笑顔の印象が強いので、そうかなあ、と思ってしまう。
華やかさや愛嬌がなくてあれだけのスターになれたとは思えないので、やや違和感あり。

全編日本のシーンで、力道山の中の「韓国」とはどんなものだったのか、という突っ込みはあまりない。シルムの名選手だった兄の存在とか、朝鮮戦争で故郷が北朝鮮に編入されてしまったとか、豪邸に韓国の物で埋め尽くした一室があって、張本勲が出自から特別に入れてもらえたとか、帰国記事を新聞が書いたら出入り差し止めになったとか、いくらもドラマ的なネタはあるのだが。
ほとんど日本語の台詞をこなしたギョングの努力は認めるが、韓国語で喋るシーンの自然さと比べるとずいぶん硬くなっている。

橋本信也が東富士(日本人の実在の人物は全部仮名になっている)役で出てくるのが、今見ると異様な感じ。あと、船木誠勝が伊村(木村政彦)役で出たり、秋山準がちらっと写ったり。プロレスのシーンは、かなり今風にアレンジしてある。力道山がブランチャー使ったこと、あったっけ。昔の試合は、ビデオで見るともっと単調だった。

藤竜也が貫禄。
中谷美紀は綺麗だが、力道山夫人って、ああいう人だったとはとても思えず。息子も出てこない。
(☆☆☆)



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