prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「スパイ」

2006年06月16日 | 映画
1957年、フランス。アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督。

はやらない精神病院の院長が、ある患者を入院させたら大金を払うという「イギリスの大佐」の依頼を受けてしまったら素性の知れない連中がぞろぞろやってきて病院を占拠してしまい…、という不条理な出だしは面白いのだけれど、その分具体性が乏しくて、その後の展開があまりぱっとせず、二時間はちとキツイ。

主人公が大金を平気で人前で見せびらかしたり、やたらと人がバックで鳥みたいに鈴なりになって主人公をじろじろ見ていたりする喜劇的なタッチは面白い。

両陣営、なんて設定が昔のものになった今でも、奇妙に不安で可笑しいタッチはあまり古くならない。
(☆☆☆)



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「IZO」

2006年06月16日 | 映画
人斬り以蔵こと岡田以蔵が死刑になった後怨霊になったのか何になったのか、やたらと現代をはじめ色々な時代に出没して会う奴会う奴ぶった斬ってまわるのだが、今みたいに権威が総崩れの時代に「権威」がかった奴斬ってもおよそ気がいかないのだね。
斬られてはまた蘇って人を切りまくるアナーキー崩れの平板な繰り返しで、「13日の金曜日」シリーズの総集編みたい。
文語調のセリフでしきりとコリクツをひねりまわすのがまた退屈。
(☆☆)



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