prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「間宮兄弟」

2006年06月18日 | 映画
こういうストーリーがあるんだかないんだか、という作りの映画って、テイストが合わないとどうしようもない。
これはどうにも乗れずに困った例。どこが悪いってこともないのだが、どこが面白いんだかもわからなくて困った。

この兄弟、それほど変ですかね。特に興味をひくほどの特色もないし、常識に収まっているゆえの魅力というのも感じない。
森田芳光得意の日常から離れない範囲のデフォルメや画面全体のデザイン化があまりアクセントになっていなくて平板。

中島みゆきが母親役で出てきたのにびっくりした程度。
(☆☆★★★)



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「日本海大海戦 海ゆかば」

2006年06月18日 | 映画
長らくウヨク映画と思い込んで敬遠していた脚本・笠原和夫、監督・舛田利雄の戦争もの。

佐藤浩市が艦内で高利貸しをしているという嫌われ役で、あんまり若くて軽いのでびっくり。
上陸しても女を買わないというのは、守銭奴からなのかお稚児さん好みなのか、両方らしいがそれほど後者は突っ込んで描いていない。

主演の沖田浩之は、こんなのが男ばかりの世界にいたらたちまち奪い合いになるぞと思わせるが、三原順子(当時)の女郎としか関係しない。その女郎は男があくまで出撃するというと、男を殺して自分も死ぬと剃刀を振り回すという凄いキャラクターなのだが、熱演の割りに迫力は今ひとつ。

主人公を軍楽隊員にしたのが最大のアイデアで、出港する「三笠」を見送る別れの場面で「蛍の光」が流れたり、自殺した兵隊を音楽で送ったりする場面で情感が盛り上がる。
将校の食事の場面で軍楽隊がドボルザークの「新世界」を生で演奏する描写で、艦内の階級制を端的に見せた。上はパン食でフルコース、下は握り飯と沢庵だけというコントラスト。

軍楽隊員が戦闘で大砲の照準を微調整するのにどれくらい動かすか、命令された数値を小さな黒板に書いて走りまわり大声で振りまわる、という考証が面白い。

日本海海戦といったら日本の稀に見る圧勝なのだが、勝った方も血みどろなのを丹念に見せる。血糊が朱墨じみた色なのは困るが。
(☆☆☆★)



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