prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「着信アリFinal」

2006年07月13日 | 映画
韓国に修学旅行に行った同級生たちに、一人行かないで部屋に閉じこもっている堀北真希が呪いを送っていくという設定から、綾辻行人ばりの趣向になるのかと思ったらアタリ。

ただし、その呪いを送っている情景が現実のものと見せて実は、という謎解きのもって行きかたがきちんと整理されておらず、ほとんど支離滅裂。
本来だったら、はじめ携帯に送られる画像の中だけで掘北の姿を見せていって、それを発信している実際の部屋に踏み込んだらどうなっているか、という具合に誰かの視点を通じて順を追って描いていかないと、どういうことなのかわかりゃしない。余計に頭を使うから、生理的に怖がっているヒマがない。
マーケットの事情からか韓国と合作になっていて主な舞台が韓国なので、呪われた側が日本にある堀北の部屋に踏み込むといった描写ができなくなっているせいもある。

また、呪いの主が堀北なのか、その分身か何かなのかもよくわからん。呪う役を振るわけにいかないからという事務所の事情ではないかと邪推したくなる。
黒木メイサの彼氏がなぜか聾唖者で手話で会話するのだが、それがどこかのシーンで声が届かないところから手話で意思を伝えるといった具合に生かされるわけでもない。
あと、彼の携帯のアドレス、黒木以外の誰か知ってたの?

携帯に来た呪いのメールを転送したら死なない、というせっかくの設定も生かされたとはいえない。ババの押し付け合いみたいにメールを転送しあったり、送られた奴が怒って自分に転送した奴を死ぬ前にぶち殺したりと、いくらも膨らませようがあるはずだが。

殺し方の工夫も不足。いじめを仲間をつつき殺すニワトリに喩えているのだから、よってたかってリンチして殺す場面がないというのは、むしろ変。悪意というか、意地の悪さが不足しています。
(☆☆★★)



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