prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「インサイド・マン」

2006年07月24日 | 映画
インド音楽「チャイヤチャイヤ」に乗せたオープニングが好調、一気に乗せられる。スパイク・リーはここでは作家性よりストーリー・テリングを優先させているが、音楽センスは健在。

メイン・キャスト以外の脇役もいちいち一枚タイトルであらゆる人種を網羅した顔と名前を見せていくエンド・タイトルで、改めてアメリカの役者の層の厚さを見せる。

犯罪そのものの手口の計算はよく考えたもの。ただ、バックにある社会派的な部分はややとってつけたようで、クリストファー・プラマーの貫禄をもっていてもあまり厚みを感じない。
ユダヤ人のラビ(アメリカ英語だとラバイって発音するのね)は出てきても、ユダヤ人がらみの視点は入ってこないからだろう。本来、犯人がネタを仕入れたあたりにあったのかもしれないが、そのあたり曖昧。
あと、犯人がカメラに語りかける導入部のつかみはOKだが、その映像が誰かに送りつけられるのかと思った。

むしろ人質全員が犯人と同じ格好をさせられたもので解放されたとたん手当たり次第に逮捕されるあたりに9.11以後のイヤな雰囲気が出た。

犯罪ものにありがちな陳腐なドンパチをイメージカットで処理する皮肉。
(☆☆☆★)



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