prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「刺青 SI-SEI」

2006年12月20日 | 映画
主演・吉井怜 脚本・夢野史郎 監督・佐藤寿保。
谷崎潤一郎の原作を現代化して映画化。来年初めにもまた新しい映画化(瀬々敬久監督)が公開されるらしい。

舞台は「潜水艦」の中と称する窓のない一室、登場人物はほとんど二人だけ、セリフはかなり観念的と、ほとんど演劇のような作り。

原作をヘタに絵解きしないで抜粋をそのまま朗読しているのが、現代の新宿などの風景にかぶさると何ともいえないコントラストをなして面白い。
無残絵をパソコンに取り込んで加工して見せるのも似た趣向。ずいぶん才気走ってる。

やたらビニール類で女をくるんだり、実物の女をそのビデオ画像の前に置いたり、暗視装置越しの映像を多様したりと、現代美術的な感覚なフェティシズム。

吉井怜は細身すぎて刺青を入れるのが似合うとは思えないが、苦痛の表情がエロい。
(☆☆☆)


本ホームページ

刺青 SI-SEI - Amazon