古代スパルタとペルシャ軍の戦いとはいえ、「民主主義」と「野蛮な独裁政治」との戦い、なんて言われたりしているのだから、イヤでも今のアメリカのことをスパルタになぞらえていると思ってしまう。英語だし。
敵はあくまでグロテスクで傲慢で数頼みの臆病者で、しばしば顔を見せないほとんど動物と同じ存在、スパルタは強く高貴で友情に篤いと、これ以上ない単純二分法。
完全に開き直っています。戦わない男など、口先だけで女を騙し、市民を裏切る卑怯者で、誰にあてつけていることやらという感じ。実際は日本で見渡しても、マッチョをひけらかす奴だって十分卑劣だと思うが。
その上でマチズモ全開というか、相手をとことんぶっ倒してまわる野蛮で残忍な快感の量では、まず空前という感じ。エンド・タイトルで血しぶきがグラフィック・デザイン化されているのには呆れた。
日本でも平田弘史の劇画を映像にしたら、こうでもなるだろうか。
もっともこれだけパンプアップされ肉体がうなりをあげて暴れまわり、それを映像技術と音響技術の粋を結集して増幅してくると、刺激の量が人間が受け付ける域を超えるみたいで、こちらの感覚がロックされて逆に何も感じなくなる瞬間が、多々あった。
レアの巨大ハンバーガーを三人分食べさせられて満足する感覚は、こっちにはない。
(☆☆☆★)