なんという題名かと思うが、渥美清が寅さんをやる直前の主演作。
金髪女のストリップを巡業してまわる一座の話で、ショーの司会や現地の警察と話をつける役目が渥美、用心棒役が西村晃、それから大坂志郎と森下哲夫といったメンツ。女の元マネージャーが小沢昭一、警官が伴淳三郎、ヤクザが上田吉二郎。
西村や小沢が出ていてストリップの話だから今村昌平的な世界をちょっと思わせるけれど、監督は渡辺祐介で松竹ではあそこまでアクは強くできない。とはいえ、実際に浅草のストリップ小屋の幕間のコントに出ていた渥美としてはある程度なじみの世界ではないかと思わせ、司会の口調も調子いい。
息子がいるという設定で、公害病(時代色が出てます)の治療のため一座の面々が積み立てていた金を競馬に突っ込んでしまうあたり、あまりシャレにならない。
ストリッパーはメリー・ハローといういいかげんな芸名だが、やっている人もテリー・エンジェルというどっこいどっこいのいいかげんな名前。ほかにどんな映画に出ていたのか、さっぱりわからない。これがベトナム戦争に出征中のアメリカ軍人の妻で、留守中の小遣い稼ぎをしていたというわけ。自分だけステーキや寿司を食べて、夫が戻ってきたらはいさようならと、日本人をなめきってます。
冷血動物、という意味でつけた題みたいだが、一番それにふさわしい。
(☆☆☆)