ちょっと不思議ですらあるのは、このストーリーがもともと別にイーストウッドにあてて作られたものではないこと。イーストウッドのこれまでのキャリア、の延長戦上に置かずに考えるのは映画を見た後では不可能に思える。いったい、ストーリーの作者はどんな完成形を想定していたのだろう。
話し合いや平和主義ではどうしようもないワルをどう排除するのかというモチーフは「ダーティハリー」、「許されざる者」以降目立つようになった贖罪のテーマ、朝鮮戦争がバックにあったり、だらしのない若者を鍛えるのは「ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場」(heartbreak ridge=心臓破りの尾根という言葉自体、朝鮮戦争の山岳地帯の戦いのことを言っているとか)。
道路が草ぼうぼうで、主人公以外の家も手入れ不足。あるものをそのまま撮っているようだけれど、プロダクション・デザイン(ジェイムズ・J・ムラカミ)の仕事はかなり重要。
意外と軽く、むしろその軽い振りでスタンドまで自然に運んだみたい。
モンが木の根っこを掘り返そうとしてあきらめてしまうあたり、「ペイルライダー」さらにはその原典といえる「シェーン」も思わせ、そう考えると元から罪深い人間である自分が罪をかぶってイノセントな人間を守ろうとする行動もつながってくる。やはり一種のキリスト教的感覚なのだろう。
(☆☆☆★★★)

本ホームページ
グラン・トリノ - goo 映画
話し合いや平和主義ではどうしようもないワルをどう排除するのかというモチーフは「ダーティハリー」、「許されざる者」以降目立つようになった贖罪のテーマ、朝鮮戦争がバックにあったり、だらしのない若者を鍛えるのは「ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場」(heartbreak ridge=心臓破りの尾根という言葉自体、朝鮮戦争の山岳地帯の戦いのことを言っているとか)。
道路が草ぼうぼうで、主人公以外の家も手入れ不足。あるものをそのまま撮っているようだけれど、プロダクション・デザイン(ジェイムズ・J・ムラカミ)の仕事はかなり重要。
意外と軽く、むしろその軽い振りでスタンドまで自然に運んだみたい。
モンが木の根っこを掘り返そうとしてあきらめてしまうあたり、「ペイルライダー」さらにはその原典といえる「シェーン」も思わせ、そう考えると元から罪深い人間である自分が罪をかぶってイノセントな人間を守ろうとする行動もつながってくる。やはり一種のキリスト教的感覚なのだろう。
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