prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」

2009年05月08日 | 映画

宇宙からサーファーがやってくる、というのも地球が宇宙の中心なのか、というよりアメリカが宇宙の中心なのかと思わせる。
もっともこの銀色のやたら強力なパワーを発揮するサーファーが悪役に徹してくれればよかったのだけれど、妙に顔を立てた扱いになってしまい、尻つぼみ気味。

「アメリカン・コミックス大全」小野耕世著によると、もともとマーベル・コミックス主催者のスタン・リーが画のジャック・カービイと組んでこの原作を書いた時はベトナム戦争の最中で、魔神ギャラクタスの先導をしていたのが反抗してパワーを失い地球の大気圏でだけでしか生きられなくなったシルバー・サーファーが、地球のさまざまな問題に悩む、というものだったらしく(映画の原題はFANTASTIC FOUR: RISE OF THE SILVER SURFER)、作者も愛着のあるキャラクターでこれ自体独立した企画だったのが、結局ファンタスティック・フォーと込みで権利が売買されて、こういう形で映画に登場したらしい。

あと、なんでも「スパイダーマン」の監督がジェームズ・キャメロン、「エレクトラ」の監督がオリバー・ストーンの予定だったとか。

出だしが浮世絵から抜き出てきたみたいな富士山をのぞむ駿河湾の場面ではどうなることかと思わせるが、日本語のセリフは割とまとも。
(☆☆☆)