マイケル・ベイ製のリメークの方なのだけれど、もともとのルトガー・ハウアー主演版自体が「激突!」ほかの先行作品のパッチワークがかったところがある(期待して見て結構がっかりした)から、それほどオリジナリティの不足を言う気にはならない。期待値が低かった分、割と楽しめた。
冒頭、いきなりヒッチハイクしている男を乗せるのではなく、いったん置いてけぼりをくらわせた分後ろめたくて乗せざるをえなくなる段取りなど良く考えている。ヒッチャーが警察ほかはばたばた殺すけれど主人公のカップルにはなかなか手を出さないご都合主義や、ショック効果先行の神出鬼没ぶりもオリジナル同様目立つが、理由のない悪意を向けられるだけでなく死にたがり願望に巻き込まれる話としては一応筋が通っている。
後半、カップルの生き残る方が男女逆になってなかなかきれいなヒロイン(ソフィア・ブッシュ)が銃を持って活躍しだすあたり、ゴ時勢というよりB級色に徹していてなかなかよろしい。
ヒッチコックの「サイコ」や「鳥」をそのまんま持ち込むのは、オマージュとかいうより、映画学校出のなんとなくのルーティンみたいで、どうもつまらない。
(☆☆☆)