prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「抱擁のかけら」

2010年02月24日 | 映画
大金持ちが妻を女優に仕立てた上、わざとその出演作の出来をおとしめて他の人間の目にふれないよう「独占」するというモチーフには、「市民ケーン」が匂う。金持ちの死から遡りカットバックを組み合わせていきさつを物語る構成も。

金持ちの息子がいつも回しているカメラの三脚を使って争う姿をそのカメラの記録映像として描いたショットは「血を吸うカメラ」Peeping Tomみたいだなと思っていたら、果たせるかなその息子がPeeping Tomと呼ばれるところがちゃんとある。字幕では「覗き魔」と訳されていたが。

盲目の元映画監督という設定は、いずれにしても周囲に支えられないとやっていられないという意味かとも思える。

話の意外性が、今ひとつとってつけたよう。
(☆☆☆★)


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