「プライベート・ライアン」ばりの銃弾で手首が吹っ飛び、爆弾で身体がこなごなになる戦闘シーンが凄絶。
「…ライアン」の近くで爆発があって一時的に耳が聞こえなくなる悪夢的表現も取り入れているが、それが集合ラッパが聞こえたか聞こえなかったか、撤退するかしないか、そして部隊が全滅しないですんだか否かというドラマの要に結びついているのがうまい。
国民党軍対共産党軍との戦いを扱った初めての中国映画という触れ込みだったが、実際のところ国民党軍はまったく人格のない「敵」とだけ描かれていて、同じ国(?)の人間同士が戦っているという感じはない。途中から朝鮮戦争にも参加することになるが、「敵」として姿を現すのはアメリカ軍で、韓国軍ではないあたり、各方面に気を配っている感じ。
一人だけ生き残った者の死んでいった仲間に対する贖罪感というのは、日本兵の生き残りにも見られる心情のように思う。
名誉回復を求める相手が国家(この場合はイコール共産党)なのは他にありえないとして、どこかひっかかる。こっちは戦後民主主義教育がしみついているせいか、国家とは国民に殺しを命じて国民を殺す存在という認識で見るからだ。
前半戦闘シーンの連続で、後半「平和」になっても主人公がなかなか身分を証明できず居場所を見つけられないで放浪する姿を追う構成は、なんだか先細りになるような印象を与える。本当は戦闘シーンをクライマックスに置く「楽しみ」にしてはいけないのだが。
(☆☆☆★)

本ホームページ
戦場のレクイエム - goo 映画
「…ライアン」の近くで爆発があって一時的に耳が聞こえなくなる悪夢的表現も取り入れているが、それが集合ラッパが聞こえたか聞こえなかったか、撤退するかしないか、そして部隊が全滅しないですんだか否かというドラマの要に結びついているのがうまい。
国民党軍対共産党軍との戦いを扱った初めての中国映画という触れ込みだったが、実際のところ国民党軍はまったく人格のない「敵」とだけ描かれていて、同じ国(?)の人間同士が戦っているという感じはない。途中から朝鮮戦争にも参加することになるが、「敵」として姿を現すのはアメリカ軍で、韓国軍ではないあたり、各方面に気を配っている感じ。
一人だけ生き残った者の死んでいった仲間に対する贖罪感というのは、日本兵の生き残りにも見られる心情のように思う。
名誉回復を求める相手が国家(この場合はイコール共産党)なのは他にありえないとして、どこかひっかかる。こっちは戦後民主主義教育がしみついているせいか、国家とは国民に殺しを命じて国民を殺す存在という認識で見るからだ。
前半戦闘シーンの連続で、後半「平和」になっても主人公がなかなか身分を証明できず居場所を見つけられないで放浪する姿を追う構成は、なんだか先細りになるような印象を与える。本当は戦闘シーンをクライマックスに置く「楽しみ」にしてはいけないのだが。
(☆☆☆★)

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