prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ダンシング・チャップリン」

2011年05月02日 | 映画
「ライムライト」はもともとヒロインがバレリーナなのでそのまま踊っても曲がないと「黄金狂時代」の「小さなパンの踊り」をアレンジした「小さなトゥ・シューズ」にアレンジしているのになるほどと思う。
女性ダンサーをチャップリンに仕立てる発想の大胆さ。

プロデューサーの一人が、「今だとチャップリンを知らない人多いので不安」「午前十時の映画祭でもチャップリンはあまり入っていない」「淀川(長治)さんみたいな人、今いないし」と不安を話していた。確かにチャップリンの原典を知らないで見たらどう見えるのか、見当がつかない。

2009年9月24日に亡くなった佐々木芳野プロデューサーが随所に写っているのにどきりとする。

前半、プティ氏が屋外で撮るのなら、映像化自体を断ると頑張っていたのが、後半ぽんと屋外で踊るシーンが出てくる落し方に、ドキュメンタリーではあまりやらないように思える劇映画的な「語り口」がある。

それにしても、これは普通だったらほとんどプライベート・ビデオの範疇に入るような作りだろう。それを客層はやや狭いにせよ商業ベースにもっていったのはたいしたもの。


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