prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「雲のむこう、約束の場所」

2011年05月27日 | 映画

「エヴァンゲリオン」にしてもそうだが、人類が滅びかけたとか日本が南北分断しているといったものすごい大状況がある中で、まったく今の日本と同じような「平和」で退屈で凡庸な生活が続いているというイメージをなんで出してこれるのか、なんだか不思議。

平和ボケとかいうより、この国ではもともとあまり尖がった対立や葛藤を好まない、というより忌避するみたい。先日の大震災でも言われたように穏やかとか秩序だった国民性とも言えるが、自主規制に巻き込む、真綿で首を絞めるような息苦しさが裏に張り付いているのも確か。
ここでも恋愛絡みの展開だが、それが息苦しさを突き抜ける力と結びつくわけでもない。

アニメには本来ない「光」の表現が印象的。遠近法を効かせた構図が多いのも画面に深みを与えている。
(☆☆☆)