なんともいえず痛い映画。
ジョン・カサベテス作品を思わせて一見してラフな、それだけにリアルな撮り方でどうしようもなくなった男女をしつこく追い続ける。
働かなくて家事をするわけでもなくて子供だけは可愛がる、というダメな男と思って見ていたが、考えてみるとこれ女だったら結構許されるのではないか、とも思えてきた。
過去と現在とを交錯させる技法はやや疑問で、それほど図式的に対照させているわけではないがどうしてもそう見えるし、軸がはっきりしないからこれといってカタルシスを感じる山場がない。
あとになって思うと、結婚指輪を投げ捨ててしまってからまた探すあたりかな、といった感じ。
(☆☆☆★★)