prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「黄色い星の子供たち」

2011年09月06日 | 映画
フランスにもホロコーストに協力した者が大勢いた、というのはフランス人にはショッキングかしれないが、正直当たり前ではないかと思う。
ユダヤ人排斥の現れとしてはナチスに先行してドレフュス事件があったのだし、シオニズムの祖であるヘルツェルはあれでユダヤ人が同化して生きる道に見切りをつけたという。

とはいえ、子供たちが親と引き離され、結局収容所行きの列車に乗せられる光景は痛ましく、隣の初老の女性客は中盤から泣きっばなし。

社会主義よりナチス(ナチスとは国家社会主義ドイツ労働者党の略ではあるけれど)の方がまし、と考えるといったフランスの為政者の政治的な判断が大勢の人々を翻弄しているのに、まったくそういう実感を互いに持たない。

ヒットラーが自分をかたどったチョコレートの人形の首をもぎとって自分で食べてしまう象徴的な表現が印象的。
(☆☆☆★★)

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