デンマーク映画にはカンヌでパルム・ドールを二度受賞しているビレ・アウグストという先輩格の監督がいるが、その人の初期作品の「子供たちの城」とも共通する独特の泥臭さと残酷さがある。わずかな鑑賞本数でいうことはできないが、サイレント映画時代のカール・テオドア・ドライエルあたりから共通している体質を感じる。
ラース・フォン・トリアーの「ホスピタル」に、スウェーデン人嫌いの医者というキャラクターが出てきたが、ここでも何かと言うとスウェーデンの悪口を言う人間が現れる。日本と隣国とでも、ここまであからさまに悪口を言うのは少ないのではないかと思うくらい。
身近で仲がこじれている、というモチーフが家庭内の不和や学校のいじめから国の間にまで、ミクロからマクロにまで変奏されているのがユニークなところ。
なんでもないようないじめでも報復を恐れだすと歯車がかたりかたりと動いていくように否応なく暴力がエスカレートしていく展開がこわい。被害者になるのも加害者になるのも子供、というのが厳しい。
暴力に対して決してやり返さない父親の態度は立派ではあっても、燻り続ける感情を消すことはできないのがリアル。
(☆☆☆★★★)
本ホームページ
未来を生きる君たちへ - goo 映画
ラース・フォン・トリアーの「ホスピタル」に、スウェーデン人嫌いの医者というキャラクターが出てきたが、ここでも何かと言うとスウェーデンの悪口を言う人間が現れる。日本と隣国とでも、ここまであからさまに悪口を言うのは少ないのではないかと思うくらい。
身近で仲がこじれている、というモチーフが家庭内の不和や学校のいじめから国の間にまで、ミクロからマクロにまで変奏されているのがユニークなところ。
なんでもないようないじめでも報復を恐れだすと歯車がかたりかたりと動いていくように否応なく暴力がエスカレートしていく展開がこわい。被害者になるのも加害者になるのも子供、というのが厳しい。
暴力に対して決してやり返さない父親の態度は立派ではあっても、燻り続ける感情を消すことはできないのがリアル。
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