prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「赤い鳥逃げた?」

2011年09月05日 | 映画
いかにも70年代の、ストーリーを推進するよりあちこちふらふら寄り道しながらちょっとした感覚的な刺激をついばんでまわって、おもしろくない生活をなんとか味わうといった趣の作り。
これだけ時間が経つと当時としては感覚的に新しかったものが、それなりに日本の伝統的なセンスの延長上にあるようにも思える。
こういうセンス優先の映画は古くなりやすいのだが、意外なくらい新鮮。

いつまでもふらふらしてはいけない、マジメに働かなくてはというので挙げられるのが豆腐屋と印刷屋。朝早くから働くのと、真っ黒になって働くのというイメージで挙げられているのだろうが、どちらも今ではあまり成り立たない商売。「硬い」仕事っていうのも、不安定なものだと思わせる。

桃井かおりが出てきてからしばらくエッチするわけでもないのにおっぱい出しっぱなし。古語でいうフーテンという感じ。
猟銃の扱いがすごい雑。鍵も何もかかってない棚に弾丸もろとも置いてある。

監督・藤田敏八。この時は「ツィゴイネルワイゼン」で原田芳雄と役者として共演するなどとは思っていなかっただろう。

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