冒頭から顔のよくわからないスタイルのいい女性(吉住はるな)があちこちに現れる。何者かと思ったら「元大手企業のOLで、女優を目指している」(amazon「甘い罠」解説より)人だそうです。
篠田正浩の背後で茶碗を持ってきてからすぐ席に戻り顔を見せずにパソコンに向かっている女性、あれも演出くさい。「見えないものが大事」というテーマを番組そのもので表現しようということだろうか。
役者の名前を出すのに文字の一部を着色するという小津調。
絵コンテの段階で画面を部分的に赤く着色している。
小道具入れ込みの日というのがあったという。実際に赤いヤカンや茶碗がカットが変わるたびに移動しているのを見せる。
女優さんからまず撮ったというのは、さもあらんと思わせる。
岡田茉莉子のどアップはちょっとのけぞるような感じでした。
赤の発色がいいからというのでアグファを使ったそうだけれど、今どの程度技術が残っているのだろう。
蓼科日記の一部が引用されるのだが、「三人で出かける」って、小津と野田高悟と、あと誰だ。不在の一人って、これも演出か。しかし、毎度のことながら野田のことを無視するねえ。ほかの野田作品を比較して、小津調のどこまでが野田調なのか程度の研究はないのか。
[BSプレミアム]
2013年12月12日(木) 午後9:00~午後10:00(60分)
ジャンル ドキュメンタリー/教養>ドキュメンタリー全般
番組内容世界の映画監督が選ぶ作品NO1に小津監督の「東京物語」が選ばれた。今も人々を魅了し続ける小津映画の秘密に迫る。出演は岡田茉莉子、香川京子、司葉子ほか(50音順)
出演者ほか【出演】吉田喜重,【出演】篠田正浩,【出演】岡田茉莉子,【出演】香川京子,【出演】司葉子,【語り】大杉漣
世界の映画監督が選ぶ作品NO1に小津監督の「東京物語」が選ばれた。今も人々を魅了し続ける秘密とは?没後50年の機にデジタル・リマスター化が進む小津映画。その過程で演出の詳細が分かって来た。赤を巧みに配置した映像、演技の反復が生み出す心のひだ、全てを見せない演出。吉田喜重監督や篠田正浩監督、そして、小津映画を彩った女優、岡田茉莉子、香川京子、司葉子の証言を交え、小津映画の秘密に迫る。
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