高いものを使わなくても、平凡な道具でも位置づけひとつで見事な道具に変えてしまうという美意識を映画そのものが見せるというわけにもいかなかったみたい。
前半、北野大茶湯や、利休の木像を京都大徳寺の山門の上に置いたのが秀吉の逆鱗に触れたとかいった、割と有名なエピソードが並んで、後半いきなり若い頃の利休が出てきて、あれあれといった感じで自刃を望む理由になったかなり奇抜なエピソードが描かれる。原作は読んでいなかったのでかなり驚いたし、「本覺坊遺文」のような一種の謎解き的構成としては、ガイドになるキャラクターがないのでとってつけたようでちょっと苦しい。
若いときのエピソードで市川団十郎が出てきたもので、海老蔵と間違えそうになった。しかも父親役というわけではないから、ややこしい。亡くなったのが今年の2月3日とまだ日が浅いので、異様な感じ。
(☆☆☆)
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映画『利休にたずねよ』 - シネマトゥデイ
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