今見ると、かなりケネディ暗殺の陰謀説の基本的なところを押さえている。
糸を引いているエスタブリッシュメントがアメリカ以外の世界人口が爆発するのを恐れて、自分たちが人口をコントロールするのだといった発言まで飛び出す。
演じているのがバート・ランカスターとロバート・ライアンという実際にはリベラルである俳優であるところが、単純な傲慢な悪役ではない知的な批評性が入っている。
資本主義の論理の帰結といった感があって、むしろクールですらある。
脚本は赤狩りで投獄され「ローマの休日」の実際の作者であることがのちに明らかになったダルトン・トランボ。
報酬額を聞いて、標的が誰であるかを悟るエド・ローターの表情がいい。暗号に聖書の一節を示す数字が使われるのが、キリスト教原理主義の匂いがするのが予見的。