prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

記憶は愛である ~森東・忘却と闘う映画監督~

2013年12月22日 | Weblog
「記憶は愛である」という森崎監督自身の言が繰り返し引かれる。記憶というのは個人的なものであるとともに、背後にいる無告の多数者の共同のものでもあるというのは、作風からして当然の考えと思える。

一方で、時代の風潮として自分がいてもいなくても記録はもちろん記憶にも残らないという気分もまた多数になってきているのではないかとも思った。
あと、外部の記憶媒体なりネット検索なりで、記憶の外脳化というのも進んでもいるのだろう。それが人間にとってどの程度本質的なものかとよくわからないが。

人間の記憶というのはメモリーにたくわえられているのをそのままアクセスして取り出すものではなく、そのたびに「作られる」ダイナミックな行為であることは脳科学も教えるところ。

戦争と記憶というのは、「忘れてはいけない」ものであるとともに、「思い出したくもない」ものの両方であるということで、重要な取り合わせということになるだろう。それにしても、終戦の次の日に兄が割腹自殺するというのはちょっと想像を絶する稀な体験で、それを「そのまま」再現するというのはありえないので、映画なり文章なりといった形で再現するというのは、オリジナルに対するコピーではなく、それ自体が記憶というもうひとつの事実として残っていくのではないか。

想起や再現の過程で記憶が作られてしまうという点については番組は特に触れていない。最近の戦争に対する記憶というのはご都合主義的な捏造が幅をきかせているように思える。

監督の自室の本棚の膨大な量の本の一方に、テレビモニターがそれほど大仰なものではないのが目を引く。

番組で見る限り、監督は多くの場面でマスクをしていて元気とはいえず、表情にも乏しいが、認知症といった感じではない。そういうところはカットしたのかもしれないが。
認知症の検査で医者に小バカにされるような質問されるのがおもしろくない、というのが実感がある。

2013年12月21日(土)
【再放送】2013年12月28日(土)午前0時45分
※金曜日深夜

「映画は記憶の芸術である」。
名匠・森東(86)は言う。デビュー作『喜劇 女は度胸』(1969年)にはじまり、松竹の喜劇映画の名手として評価を確立した森は、その後フリーに転向し、独自の表現を追求してきた。

森が映画に刻みつけてきたのは、社会の片隅で懸命に生きる“庶民の記憶”だ。森映画にはヒーローもスターも登場しない。そこに描かれるのは、逆境にあっても前を向いて生きる市井の人々の群像劇である。『喜劇 女は男のふるさとヨ』(1971年)ではストリッパーたちのたくましく生きる姿を描き、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(1985年)では、当時その存在すらあまり知られていなかった原発ジプシー(原発労働者)を取り上げ大きな反響を巻き起こし、『ニワトリはハダシだ』(2004年)では、知的障害のある少年が巻き起こす大騒動がベルリン国際映画祭で絶賛され話題をさらった。歴史のうねりの中で忘れ去られていく“名も無き人々”が抱いたはかない記憶の数々を、森はフィルムに焼き付けてきたのである。

去年秋、そんな森が25本目の新作映画の製作に挑んだ。テーマに選んだのは認知症である。原作は、還暦を過ぎた息子が認知症の母親を介護する日々をユーモラスにつづった漫画『ペコロスの母に会いに行く』だ。少しずつ記憶を失っていく母親の姿をありのままに受け止め、長崎弁の方言を交えながら描かれる切なくも温かい物語だ。

「記憶を失っていくのは、悪いことばかりではない」という漫画に込められたメッセージが大きな反響を呼び、20万部を超えるベストセラーとなっている。
一方、森は、記憶が失われてゆくことをよしとせず、あくまで忘却に抗おうと考えていた。認知症という題材を、介護する息子の立場からではなく、記憶が薄れていく母親の目線から描こうとする森。実はこのとき、森の身体に、ある異変が起こり始めていた・・・。
私たちのカメラは、“記憶という名の愛”を映画に刻み込もうともがく、森の格闘の日々に密着した。

語り:石橋 蓮司
朗読:加瀬 亮
(内容時間 59分)

12月21日(土)のつぶやき

2013年12月22日 | Weblog

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アルバムに貼りこんだ記念写真をデジタル化しようかと思うが、くっついて剥がせないのだね。ハンドスキャナ買わないといけないだろうか。


【劣化コピー】その時同じ儀式を続けるのか。 おめ! 世界貿易センタリーズ 動物と人間社会全体を清潔にするという発想はないの?  絶対返せない借金で縛って合法だと言い張るのですけど、そこまでいってますかね。 rekkacopy.com