料理もので鹿賀丈史が出てくるというから、「料理の鉄人」にからめたパロディ的な使い方をするのかと思ったら旧主派の頭領でお家騒動に勝利し改革派を粛清する前田土佐守役をごくまともに演じており、史実だからとはいえ暗殺されたり失脚したりしないで生き延びる、たとえ旧弊で鬱屈した形であっても平和が保たれる方が大事だ、という収め方になるのが逆に意外で一定の説得力がある。
上戸彩が夫を殺し合いに関わらせまいと刀を持って逃げる姿はかなりぐっときます。
ないものねだりをすると、人を斬るべく刀を研ぐシーンがあるのだから、夫が考えを切り替えて料理に向かうのに包丁を研ぐシーンが見たかった。いい包丁は日本刀そのものなのだから(現在の貝印ブランドが関の孫六であるように)。
料理だけでなく、セットも衣装・小道具もずいぶん丁寧な仕事をしているのに好感が持て、上戸彩・高良健吾は不安だったが健闘、脇もみんな生きている。
(☆☆☆★★★)
本ホームページ
公式サイト
武士の献立@ぴあ映画生活
映画『武士の献立』 - シネマトゥデイ