冒頭の黄金に輝く麦畑の映像から一転して尻の穴から空気を吹き込んだカエルを破裂させる残酷シーンに始まり、美的でありながら死の匂いが全編にわたって充満していて、カルト化しているというのも頷ける。
子供の目を通した世界なのだが、相当に怪奇(隣の女を吸血鬼だと思ったりする)と理不尽な暴力に寄っているのが説得力がある。
サイレント映画的なイメージ重視な作りで音楽(ニック・ビキャット)がすこぶる強い印象を残す。
設定はアメリカのアイダホだが、広大な麦畑のロケはカナダではないかと思ったら案の定。「天国の日々」とか「スーパーマン」で使われていたのと似ている。どこかこの世ならぬ感じすらある。
ヴィゴ・モーテンセンの若いのなんの(当時32歳)。
(☆☆☆★★)