別にそれが表現されていなければいけないわけでもないが、かといってそれが抜けているとふつうの難病ものとあまり変わらないことになる。身体の自由がきかない人の頭の中で宇宙の原理が探査されているというコントラストが出るのを期待したのだが、それほどはっきりは出ていない。
分野は違うが、演技自体のワザの見事さはアカデミー賞をとっているから当然として、身体が不自由な人を「表現」するというのはどんなものなのだろう。倫理的なことを言っているわけではない、本当の不自由さにはなりようがないという表現の限界の話だ。本質的に矛盾しているところがあるのです。
それなりに感動的な映画には違いないのだが、性生活は具体的にどんなのかといったデリケートなところも程よく表現されていて、程が良すぎてちょっとづつ物足りない。
(☆☆☆★)
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映画『博士と彼女のセオリー』 - シネマトゥデイ