毒婦というのもあまり使われなくなった言葉で、試みに辞書引いてみると
「人をだましたりおとしいれたりする無慈悲で性根の悪い女。奸婦(かんぷ)。」(大辞林)とある。
映画の内容とすると当たっているのはこの定義の前半までで、後半の「無慈悲で性根が悪い」というのはあまり当たらない感じ。
全体に薄幸な女がそれゆえに悪事に手を出さざるをえなくなり、男たちの間を行き来するメロドラマ的な作り。
冒頭、お伝が警察に追われて車屋を雇って逃げるが、その車屋がいっこうに止まろうとしない、どこに連れていくのかという場面のくるくる回転する車輪を「無法松の一生」ばりに巧みに生かしたモンタージュが冴えている。
態度の大きい金持ちが丹波哲郎。出てくるだけでなんとなく可笑しい。
毒婦高橋お伝 - 映画.com
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