prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ウインド・リバー」

2018年08月15日 | 映画
アメリカ先住民の居留地というのは車で通ってもすぐわかるくらいあからさまに荒れ果てているというが、白い雪に覆われた荒涼としたワイオミングの曠野の風景がなんとも凄まじい。

作物などできるわけもない、辛うじて羊の放牧をしているらしいが、猛獣が荒らしに来るのをいちいち追い払わなければならない。生計を立てる術などないも同然で、麻薬に溺れる若者だらけになるのも当然と思わせる惨状に先住民たちを押し込んで滅びるのを待っているかのようだ。
(現にラテンアメリカでは滅んでいった先住民など枚挙にいとまがないのは本多勝一「マゼランが来た」に詳しい)

猛獣を仕留める白人のハンターを主人公にしたのは、興行的理由はもちろんだが、もはやドラマを進行させるだけのエネルギーは先住民には残っていないかのよう。

法的な権限は何もないまま単身やってきたFBIの女性捜査官に協力する、その普通の人間には見えない荒野に残された動物としての人間の痕跡を発見していくハンターとしての目が捜査の進行に生きていくのがおもしろい
クライマックスの犯人の扱いも法の使徒ではないからゆえの凄絶さになる。

ただ、大詰めの犯行の謎解きを誰のかわからない回想を唐突に入れた画解きしたのはいきなり調子が変わりすぎて違和感が強い。

「ウインド・リバー」 公式ホームページ

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